400年前から焼き物を作り続け、陶磁器などを生み出している長崎県の波佐見町とコラボしたイベント「波吉(はきち)」が11月2日から3日間、東急百貨店吉祥寺店(武蔵野市吉祥寺本町2)北側広場をメイン会場に、吉祥寺周辺で開催される。
波佐見温泉、日本の棚田百選に選ばれた「鬼木の棚田」などを有する波佐見町は、窯元が集合する中尾山をはじめ、約150の窯元、商社や陶房が点在する。同イベントは2017(平成28)から、縁がつながった同町と吉祥寺がコラボし、焼き物と食を通じたさまざまな企画を行ってきた。今回3回目を迎える。
実行委員会の平尾由希さんは「名前を知らなくても、飲食店やカフェで使われていたり、家庭にも1つはあったりするのではないかと言われるほど、波佐見焼は日々の生活に溶け込んでいる。過去2回の開催時には、販売だけではなく、焼き物作りの工程展示、波佐見町全体で分業制により焼き物作りに取り組んでいる様子なども紹介し、町そのものの魅力を知っていただけたのではと思う。吉祥寺の飲食店で波佐見焼を取り入れてくださったり、実際に町に遊びに来てくれたりもした」と話す。
メイン会場には、過去最多14の窯元・商社が一堂に集い展示販売を行う。「窯元、商社ごとに多様であるのが波佐見焼の特徴とも言われ、今回もそれぞれに個性の違う、生活に寄り添った食器や花器などを持ち寄る。たくさんの器の中からお気に入りを見つけてもらえたら」と平尾さん。
吉祥寺全体へと展開も広げ、「弁天湯」では波佐見温泉に入り、帰りがけに波佐見のお酒の試飲が楽しめる企画を展開するほか、「コピス吉祥寺」1階の「ペニーレーンギャラリー」では波佐見焼の製造工程や、知られざる吉祥寺との古くからの縁に関する展示などを行う。
平尾さんは「吉祥寺で波佐見焼を置いている雑貨店や波佐見焼を使っている飲食店などを掲載した『波吉マップ』も製作している。マップ片手に波佐見焼を巡りながら吉祥寺の町歩きを楽しんでもらえたら」と呼び掛ける。
開催時間は10時~19時(最終日は17時まで)。