生のクラフトコーラ「伊良(いよし)コーラ」が、12月14日にオープンした吉祥寺の映画館「アップリンク吉祥寺」(武蔵野市吉祥寺本町1)のコンセッションに登場し、ドリンク・フードメニューの一つとして数量限定で提供されている。
映画館作りに関わったスペシャリストによる施設説明会に登壇するコーラ小林さん(左から二人目)
100年以上も前のオリジナルコーラレシピに基づいて作る同クラフトコーラを手掛けるのは、コーラ小林さん。1989年東京生まれ、北海道大学農学部卒業後、広告会社に就職しながら好きなコーラ作りの探求を進め、今年8月にクラフトコーラ専門メーカーとして立ち上げた。これまで表参道のファーマーズマーケットなどにフードトラックで出店するなど、週末限定で販売してきた。
小林さんは「コーラが好きで、世界中のコーラを飲み歩いたこともある。地方には少し変わったコーラがあるなど、少しずつ味も違った」と話す。コーラの語源は西アフリカ原産の植物「コラの木」に由来すると言い、同コーラはそのコラの木の果実である生のコーラナッツや、カルダモン、ナツメグなど10種類以上のスパイスとかんきつ類を混ぜ合わせて作る。
「伊良」の名前は小林さんの祖父で、和漢方職人だった伊東良太郎さんが1954(昭和29)年に開業した和漢方工場「伊良葯工(やっこう)」に由来する。同日、高田馬場にある祖父の工房であった場所を改装し、クラフトコーラファクトリーもオープンした。ロゴモチーフには、水中に自ら飛び込んで魚を捉えるカワセミをあしらい、「コーラは手作りできないものだという常識や既成概念へ挑戦していく」との思いを込める。
オープンに先駆けて行った内覧会に、関係者と共に登壇した小林さんは「試飲してくださったお客さまから『普段コーラを飲まないのにおいしく飲めた』という声もいただいた。漢方の考え方として、自分に足りない要素を食べるとおいしいと感じる。そういう意味ではこのコーラをおいしいと感じてくださった来場者の方は、疲れているから本能的においしいと感じてくださったのかも」と話し、場内の笑いを誘った。550円(税込み)で提供する。
「こだわりの映画をこだわりの音響やこだわりの椅子で、こだわりのコーラとともに楽しんでもらえたら」と来館を呼び掛ける。