武蔵野市でアニメーション作品の企画から製作までを一貫して行う「プロダクション・アイジー」が「第1回プロダクションI.G インディーズアニメ アワード」を開催。現在、作品の応募を受け付けている。
同社は、未来のアニメ業界を担う新たな才能を発掘する機会として同インディーズアニメコンテストを初めて立ち上げた。社長の石川光久さんは大学卒業後、竜の子プロダクションに入社。独立後に設立した同社の前身となるIGタツノコを経て現在に至る。1995年の「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」や、2004年カンヌ国際映画祭のオフィシャル・コンペティション部門に日本アニメ作品として初めてノミネートされた「イノセンス」などのアニメコンテンツのプロデュースを手掛けてきた。
石川さんはアワードのきっかけについて「スマートフォンなどが普及したデジタル時代、制作方法や視聴環境などアニメを取り巻く環境が大きく変わってきた。その中で、これからのアニメ業界を担う若いクリエーターの発掘、育成を目的に立ち上げたコンテスト。いろいろな手法で作った作品で応募してもらいたい」と話す。
作品尺は60秒~15分で、ジャンル・テーマは問わない。他のサイトですでに配信されたものなど既存の作品も応募できる。タテ型、ヨコ型アニメ、フラッシュやCGで制作した作品も受け付ける。
審査は石川さんと、同社の創立メンバーの一人で、テレビアニメ「攻殻機動隊S.A.C.」シリーズや「精霊の守り人」「獣の奏者エリン」などのキャラクターデザイン・作画監督を務める後藤隆幸さんが行う。
審査員2人の評価に加え、応募作品は6月にアニメ配信サービス史上初となるタテ型アニメを配信するアプリとして提供を開始した「アニメビーンズ」内に新設された「インディーズ枠」で配信。同アプリに搭載された拍手機能により、視聴者からの評価も対象として総合的に受賞者を決定する。賞金のほか、各賞受賞者は同社のスタジオ見学に合わせ、石川さんと後藤さんとの座談会へ招待される。
石川さんは「インディーズアニメの配信は、当社史上初の試み。視聴者の感想もダイレクトに届けることができるなど、視聴者とクリエーターのコミュニケーションも当コンテストの特徴。高く評価された作品はアプリでの公式作品への昇格も予定し、有名声優のセッティングやトップクリエーターからのアドバイスなど支援も行えれば。作り手の熱い気持ちを見ている人に直接届けられるよう応援していきたい」と応募を呼び掛ける。
募集は9月30日まで受け付ける。