吉祥寺の「キチジョウジギャラリー」(三鷹市井の頭3、TEL 0422-48-3112)で2月14日から、「トウキョウドキュメンタリーフォト2018」が開催される。
「ドキュメンタリー写真家の発表の場が極端に減っている現状だからこそ、発表する場を新たに作ることで、社会に新しい視点と風を吹かせることができれば」と、2017年に吉祥寺の3つのギャラリーで初めて開かれた同イベント。
同展発起人の一人、神永悦史さんは前回の写真展覧会について「1回目にもかかわらず多くの方に足を運んでいただいた」と振り返る。来場者からは「都心の写真専門ギャラリーで見るような写真家の作品に出合え、見応えがあった」「自分の知らない世界を見ていろいろと考えさせられた」などの感想が寄せられたという。
今年は2週にわたり計8人の写真家が参加する。14日~19日は、神永さんのほか、安達康介さん、菱田雄介さん、丸山耕さんが作品を展示。20日~26日は川端嘉さん、柴田大輔さん、鶴崎燃さん、冨永晋さんが展示を行う予定。
8人が撮影した場所は、キューバやラオス、ケニア、ミャンマー、コロンビア、日本など世界各地。ニコン三木淳奨励賞など、さまざまな賞を受賞している菱田さんは2016年に「border|korea」(リブロアルテ)と題した写真集を出版し、北朝鮮と韓国の人々を撮影した写真を並べる。
菱田さんは「かつて同じ国に暮らした人々は、70年以上前に分断されて以来、軍事境界線を挟んで全く別の日常を生きている。38度線によって分けられた2つの国を2枚の写真に置き換え、併置することによって表現する試み」と作品について話す。
25日には写真家・橋口譲二さんをレビュアーに招き、ポートフォリオレビューも行う予定。「昨年、吉祥寺でスタートした写真展だが、オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には会場を増やし、よりたくさんの人たちに見てもらえるように続けていきたい」と意気込みを見せる。
開催時間は12時~19時(前期・後期の最終日は17時まで)。会期中無休。入場無料。今月26日まで。