吉祥寺の丸井(武蔵野市吉祥寺南町1)で9月30日、屋上ライブ「PARKS パークス」秋祭りが開催された。主催はboid(ボイド)。
樋口泰人さんが1998年にレーベル創立した同社は、井の頭恩賜公園100周年を記念して製作された映画「PARKS」などの配給事業をはじめ、映画館「吉祥寺バウスシアター」(現在閉館)での爆音上映、映画祭の企画制作、出版事業などを手掛ける。
同イベントについて樋口さんは「9月に6階の『無印良品 Open MUJI』で同映画に関するパネル展示や映像展示、サウンドトラック視聴のほかトークイベントを開催した。4月に公開され、地元での凱旋(がいせん)上映も終わったが何かできないかと声を掛けていただいて、ライブを行ってみてはと考えた」と振り返る。
同映画の音楽は、吉祥寺や中央線をベースに活動するミュージシャンが集まって作ったこともあり、もう一つの「PARKS パークス」音楽版とし、井手健介さんと母船、YankaNoi(duo set)、湯浅湾さんのほか、谷口雄さん、石坂智子さんら、映画にも出演したメンバーほか参加ミュージシャンらが登場した。
「暗くなってきたところで、普段点灯しない屋上の上にある丸井のネオンを点灯していただいたり、バンドの後ろの壁面に同映画を投影したりした。出演者の演奏が映画の一部に、映画が演奏の一部になったようなコラボレーションを皆さんに楽しんでもらえたのでは」と樋口さん。監督の瀬田なつみさんも「映画のロケ地で、音楽など違った形で広がりが出て皆さんに楽しんでいただけるのはうれしい」と話した。
隣の壁面にはアニメーション作家の池亜佐美さんが、劇中歌「PARK MUSIC」を使って作り上げた短編アニメーションも投影された。「『井の頭恩賜公園100歳記念ウィーク』で映画から派生した演劇が上演され好評だった。同短編は、その登場人物を主人公に、春の井の頭公園の風景を360度カメラで撮影して製作した」と話す。
樋口さんは「映画は小さな映画祭などこれから日本中を回って上映する予定。今後屋外のイベントは問題もあり実現は難しいかもしれないが、いつか季節のよい時期に野外上映などできたら」と話す。