井の頭公園の開園100周年を記念し5月1日、誕生から100年の歩みを写真で紹介する「井の頭公園100年写真集」(ぶんしん出版)が発売された。
5月1日から開催された「100歳記念ウィーク」にも出店し、写真集などの出版物を紹介した
地元三鷹で印刷業を手掛ける文伸の出版事業部で、長く井の頭自然文化園で愛されたアジアゾウ「はな子」にまつわる絵本や「井の頭公園まるごとガイドブック」「井の頭公園いきもの図鑑」など、地域に密着した書籍を多数発行してきた。
川井社長と共に編集を担当した宮川さんは「開園100年に向け何か記念になるものをと企画を考えてきた。2人で国会図書館や公文書館へ出掛け、マイクロ資料を見るなど地道に情報を集めた」と話す。
同書では、大正時代の井の頭池の展望写真など、開園間もないころと思われる写真から、昭和初期に見られた杉林の風景など現在に至るまでの様子を数多くの写真と資料で紹介している。
「2011年に100周年をカウントダウンしようと無料の新聞『いのきちさん』を創刊した。5年半、隔月で発行し続けたことで生まれたネットワークが写真集発行の大きな強みになった」と宮川さん。「『何が写っているかわからないけど自由に使っていい』と個人から提供を受けたネガを、一つずつチェックして発見した公園の姿や、今回初めて発表された貴重な写真もある」と言い、「池をモーターボートが走っていた写真など近隣の『明星学園』から借りたものや、学校遠足の記念絵はがきなども集めた」と宮川さん。
5月1日から行われた「100歳記念ウィーク」に1週間限定の書店として出店した際には、写真を展示しながら同書を紹介。写真集を含め数多く売れたという。
「皆さん、昔の姿に驚いたようだった。大正11年に現在の七井橋の渡り初めを捉えた写真などは見開きで迫力もあり、アップにすることで細かいところまで眺められ、気付くこともたくさんあった。100年の間に全く違う姿を見せてきた公園の様子を、ぜひ見ていただけたら」と宮川さん。
仕様はA4サイズで168ページ。価格は2,800円(税別)。