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吉祥寺にアジアゾウ「はな子」の銅像設置 募金を呼び掛け

銅像の原型を作る美術家の笛田亜希さん(photo:笠木靖之)

銅像の原型を作る美術家の笛田亜希さん(photo:笠木靖之)

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 吉祥寺駅北口前広場に、アジアゾウ「はな子」の銅像を建てる計画が進められ、現在、吉祥寺「はな子」像設置実行委員会(TEL 0422-60-1832)が、銅像制作と設置にかかる費用のための募金を呼び掛けている。

銅像募金を呼び掛けるチラシ

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 67年前にタイから到着し、5年後の1954 (昭和29) 年に井の頭自然文化園に来たはな子。今年5月、国内最高齢の69歳で死ぬまで多くの人に愛され続けてきた。もともと地元の商店街や街の人たちから、「吉祥寺の駅前に何かシンボル的なものを設置したい」と声が上がっていた銅像制作。来年、はな子生誕70周年を迎えることもあり、「広く愛されたはな子の功績を後に伝えたい」と、これまでの感謝の気持ちも込め、はな子の銅像設置が決まったという。

 銅像の原型制作に選ばれたのは武蔵野市出身の美術家笛田亜希さん。自身も幼稚園のころから頻繁にはな子を訪れ、これまでに数えきれないほどのデッサンをしてきた。後に同園で目撃したワラビーの死をきっかけに「いつかいなくなってしまうはな子の姿を残しておきたい」と、さまざまな素材、形ではな子にまつわる作品を制作してきた。そのうちの一つ、200号の油彩「はな子-運動場」は在日タイ大使館に贈呈された。

 「ずっと残したいと思っていたから、長持ちし、広く愛される銅像制作に携わることができて、すごくうれしい。飼育環境や年齢の変化など、長いことはな子を見てきた。銅像には50代半ばの、元気そうに遊んでいた姿を形にしたいと思う」と笛田さん。銅像の大きさは高さ1メートル、横幅1.8メートル程度の予定。設置される5月は井の頭公園100周年の節目にも当たる。

 「原型は粘土で制作中。絵は自分のフィルターを通して感じたはな子の姿のことが多いが、立体はよりはな子に近しい感じ。制作中は楽しいが、以前のように『分からないところがあるから、はな子を見に行こう』と足を運ぶことができないのは少し寂しい。これまでの感謝を込めて作りたい」と笛田さんは意気込みを見せる。

 募金は井の頭自然文化園や武蔵野市役所など各所で受け付けている。口座振替も可能。2017年3月31日まで。

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