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西荻窪でウクレレ制作競う「ウクレレ総選挙」-3日間で約400人来場

ウクレレ総選挙。参加者全員でのショット

ウクレレ総選挙。参加者全員でのショット

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 西荻窪の一軒家ギャラリー&カフェ「みずのそら」(杉並区西荻北5、TEL03-3390-7590)で2月15日~17日までの3日間、第2回アマチュアウクレレビルダーコンテスト2013、通称「ウクレレ総選挙」が行われた。主催はギターやウクレレなどアコースティック楽器製作に使われるトーンウッドを輸入販売するFINEWOOD(西東京市)。

17日に行われたライブの様子。左からサボテン高水春菜さん、tamamixさん

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 同社の森さんは「お店のお客さんにはプロの方だけじゃなくアマチュアの方もたくさんいらっしゃって、木材を購入されるとご自身で作られた楽器を見せに来てくださることがよくあった。その度にプロにはない発想に驚かされることも多く、もっとたくさんの人に見てもらいたいと思うようになった」と開催の動機について話す。初めは6人のビルダーによるグループ展という形で始め、昨年から投票制度を採用、総選挙としての開催は今回で2回目となる。

 今年は、いわゆる一般的なウクレレの形で音質にこだわった作品を集める「オーセンティック部門」、素材も形も「何でもあり」の一風変わった作品を集めた「アバンギャルド部門」、見た目重視の美的感覚に優れた作品を集めた「アート部門」の3つに分け、部門ごとに優勝者を決定。一人最大で各部門1作品のノミネートが可能で、今年は19人の出展者による個性豊かな作品、計30点が並んだ。中には弁当箱やとっくりを使ったユニークな作品やバイオリンを模した作品などもあり、来場者の注目を集めた。

 期間中には「木フェチカフェ」をオープンし、ハワイのドーナツ「マラサダ」やミニパンケーキ、ハワイコナコーヒーなど、ウクレレの本場・ハワイアンの雰囲気を演出。会場ではウクレレを試し弾きする人や、来場者同士の会話にも花が咲き、3~4時間ほど滞在する人も多かったという。

 「取引先の業界関係者が訪れることもあって、大会を通じてアマチュアからプロになられた方も多く、ウクレレビルダーの登竜門的なイベントにもなってきている。年々、着実に素材にしても、形や大きさにしても、アプローチの幅が広がってきていて、バリエーションも豊富」と森さん。「プロが見てもハッとさせられるものがあったり、ウクレレ好き同士、意見交換をして刺激を与え合っているよう」とも。

 16日には「若手ナンバーワン」というウクレレプレーヤー、名渡山遼さんが、17日にはミュージシャンのサボテン高水春菜さん、tamamixさんのライブを実施。高水さんは、ウクレレ製作家・松井ウクレレさん特注のウクレレで参加。自身が開くウクレレ教室の生徒たちを交えて一緒に演奏を披露するなど和やかな雰囲気で30分ほどのミニライブを行った。自身も約10本のウクレレを持っているというウクレレ好きであり、「癒やし系ウクレレナンバーワン」というtamamixさんのライブでも多くの来場客が耳を傾け、アンコールでは高水さんとのセッションも披露するなど、大いににぎわいを見せた。

 3日間で過去最大となる計400人ほどの投票を集め、17日の18時前に投票結果の発表が行われた。各スポンサー賞として、ロッコーマン賞を遠山和良さん(オーセンティック部門)、ローリングココナッツ賞を日野譲さん(アバンギャルド部門)、ウクレレ・マガジン賞を鈴木晴之さん(オーセンティック部門)、セイレン賞を志波信行さん(アバンギャルド部門)がそれぞれ受賞し、審査員特別賞としてオーセンティック部門から遠山さんがダブル受賞を果たした。

 優勝はアート部門が池裕人さん、アバンギャルド部門が杉浦浩二さん、オーセンティック部門が照屋卓さん。杉浦さんは前回大会のオーセンティック部門でも優勝しており、連覇となった。審査委員長を務めたセイレン代表の高橋信治さんは「甲乙つけがたい作品ばかりで、アイデアにも技術にもたくさん刺激を受けた。来年も楽しみ」と総評を述べた。

 毎年参加希望者も来場者も増えてきているといい、来年も同時期の開催を予定しているという。「ウクレレは何でもありのところが面白い。出展したり投票したりして参加することで皆さんの思い出に残るイベントになれば」と森さん。

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