吉祥寺駅の北東側にカフェ雑貨複合店「グラン キオスク」(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-21-8019)がオープンして2カ月が過ぎた。同駅周辺などに飲食店や生活家電店など約20店を展開する「ビデオ・インフォメーション・センター(VIC)」の事務所と倉庫も兼ねている。
ビル2階にある、かつて営業所として使われていた部屋の天井や壁を外し、カウンターやキッチン、パンを焼けるスペースを造作。ほぼ全体を見渡せる約100坪のフロアには、「モッタイナイからステナイ」をテーマにそろえた家具や輸入キッチン雑貨、食器、文房具、書籍、手拭いなどが、中古品から新品まで所狭しと並ぶ。一角はカフェスペースになっており、コーヒー(250円)を提供するほか、12時~15時のランチタイムには煮込みハンバーグとハンガリー風シチュー(ライス・スープ付き、各890円)も用意。今後は、定食屋のような近隣の会社員向けのメニューも検討しているという。事務スペースも同じフロアにあり、仕切りを低く設けて店舗を見通せるようにしている。ワインセラーも準備中で、販売も予定。
「キオスク」はペルシャ語の「クシュク(日陰を作るもの)」に由来し、オスマントルコをへて18世紀にヨーロッパに渡ったといわれる。現在は道路や公園などに設置され、新聞、雑誌、地図、タバコ、ライター、菓子などを扱っており、新聞スタンドと雑貨屋、駄菓子屋の機能を併せ持っている。VICの手塚一郎社長は「消耗品が中心のコンビニに対して、長く使えるもの、古くても楽しいものをそろえている点から欧米の『キオスク』に近いと思った」と話す。
今後はこのフロアを多目的スペースとして、料理教室やワークショップ、農家の人の手によるマーケットなどを開くことも考えているという。「これまでは吉祥寺駅周辺の人の流れに身を委ねてきたが、駅から7~8分のこの場所にも人の輪を作って、中心をずらすような野望も抱いている。無謀かもしれないが」と笑う。
営業時間は12時~21時。