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銅版画家「南桂子」の姿を浮き彫りに-吉祥寺美術館で生誕100年展

「2人の少女と猫」 1969年 エッチング・紙 群馬県立館林美術館蔵

「2人の少女と猫」 1969年 エッチング・紙 群馬県立館林美術館蔵

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 コピス吉祥寺A館7階の「武蔵野市立吉祥寺美術館」(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-0385)で現在、「生誕100年 南桂子展 時をひえて刻まれた想い・まなざし」が開催されている。

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 南桂子は1911(明治44)年、富山生まれ。詩作や絵画制作に親しみながら多感な少女時代を過ごし、戦後間もなく上京。多くの芸術家たちと交流を深める中、銅版画家・浜口陽三と出会い銅版画の魅力に目覚めていく。その後、浜口陽三と共に約30年間をパリで、14年間をサンフランシスコで過ごす。長い海外生活の中で、浜口陽三の制作活動を献身的に支えながら、自らも詩情あふれる世界を多くの銅版画に残した。1996年に帰国。2000年に浜口陽三が死去、2004年には桂子が心不全のため逝去する。

 「大きな瞳の少女、城や鳥、木々などが繰り返し登場する作品は異国情緒や物語性に富んでいて、淡く明るい色で構成されたみずみずしい画面は見る人の心を潤してくれる」と同館で同展を担当する平賀麻子さん。静寂さの漂うメルヘンチックな作風は、若い女性を中心に人気が高いという。

 「展覧会に合わせて行われた吉祥寺美術館所蔵の原版調査では、そこに施された多くの工夫が徐々にひもとかれつつある。完成された作品だけではなく、原版や素描などの制作過程を垣間見ることにより、作家の意図やこだわりを感じていただけるはず」と平賀さん。生誕100年を機に開催される同展は、銅版画を中心に油彩画、デッサン、原版など約100点を時代別に再検証し、銅版画家・南桂子の姿を浮き彫りにする。「後期展示(9月17日~)では銅版画作品が大きく入れ替わる。前期・後期合わせてより深く南桂子の世界を堪能してほしい」とも。

 同展関連のワークショップとして、版画家・絵本作家のむらかみひとみさんが講師となり、柔らかく彫りやすいリノリウム材を使用した凸版の制作を学ぶ「リノカット版画」(9月10日)、銅版画家の光平伴治さんを講師に迎え銅版画を制作する「ソフトグランドエッチング」(同17日)も予定。参加方法は同館ホームページで確認できる。

 開館時間は10時~19時30分。前期=9月13日まで、後期=9月17日~10月10日。水曜休館。入館料は100円(小学生以下・65歳以上・障害者無料)。

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