JINS吉祥寺ダイヤ街店(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0120-588-418)2階で現在、アーティスト泉太郎さんの作品が展示されている。店舗の壁を現代アートの分野で活躍するアーティストに提供し、自由な発想で新しい作品を制作してもらうアートプロジェクト「JINS ART PROJECT(ジンズ・アート・プロジェクト)」の一環。
同プロジェクトではアーティスト支援とともに、作品を通じて来店時にインスピレーションを刺激し、同店のメガネに対する新たな発見や親近感を醸成する個性的な店舗づくりを目指している。
泉さんは、1976(昭和51)年奈良県生まれ。2002年多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了。主に映像作品やビデオ・インスタレーションを制作し、東京国立近代美術館や国立国際美術館、森美術館など国内の美術館等で展覧会を行うほか、ヨコハマトリエンナーレ等の国際展覧会にも参加。ヨーロッパやアジアをはじめ、海外における展覧会でも数多くの作品を発表している。
「同プロジェクトの第1弾として展示をしている泉さんは、店内に陳列された1500種類を超えるメガネや、日本で初めて導入されたレンズの自動加工システムなどを実際に見学。JINSならではのコンセプトやアイデアが詰め込まれた店舗空間に、『視覚とメガネの関係を表現する』という新しい着眼点で、斬新で大胆な2作品を生み出した。店内2ヵ所の壁にかけられた『ウインクライオン』と『北極』は、いつものビデオカメラではなくメガネのレンズを通して、またメガネを外して少しぼやけた状態で、私たちの世界を描くことに挑戦した作品群」と広報担当者。
作品について「思えば20年以上前から、僕はメガネを身につけている。朝、枕元のあたりから無事にメガネを見つけ、ボヤけた輪郭を矯正できて初めて、体が完成し動き出す毎日。それはまるで、体の器官の一つのように、僕に馴染んでいる。今回の作品はまずメガネを通して作品を描き、その後はずっとメガネを外した状態で絵との距離を置き、見えたままを写し取る行為を繰り返して描いた。普段作品を作る時は必ずかけているメガネを外すことで、慣れ親しんだ体の一部をどこかに置き去りにしたまま制作することになった。美術の歴史は、様々な文明の発展が影響を及ぼしていると思う。体に最も近い器具の一つであるメガネの登場は、ものごとの捉え方、運動などに必ず、影響を与えてきたと考えている。今回はこのように、自分の体を使って実験を行い、それを作品にした」と泉さん。
営業時間は10時~21時。