吉祥寺バウスシアター(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-3555)で11月4日、新たな試みの実験的イベント「爆音3D映画祭」が始まる。
2008年に始まった人気企画「爆音映画祭」。音楽ライブ用のサウンドシステムを使って映画を爆音で上映し、映画の描く世界を「爆音」を通して見ることで、新しい見方を提案している。今回は新たに「3D」の爆音映画祭として展開。「スクリーンから飛び出せ!」をテーマに、単に3D映画を上映し「映像が飛び出す」ことを目的とはせず、映画の枠を超え、「スクリーンに収まることのない新たな世界」を提案するとして、さまざまな企画を用意する。
3D上映作品は、ヴィム・ヴェンダース監督の「Pina/ピナ・バウシュ踊り続けるいのち」、マーティン・スコセッシ監督の「ヒューゴの不思議な発明」、清水崇監督、満島ひかりさん主演の「ラビット・ホラー3D」のほか、漫画家・タナカカツキ監督による映像と音の実験的映画「ALTOVISION」やクロージング上映作品として松江哲明監督の「フラッシュバックメモリーズ3D」など。
2D上映も行い、音楽評論家・湯浅学さんが高校時代に作ったという8 ミリ映画「我が道をゆく」に、湯浅さん率いる4 人組の演奏集団「湯浅湾」が音楽を付け、小説家のいしいしんじさんがその空間から生まれてくる物語をその場で声にして書き付けていくという 「その場小説」ライブなどのユニークな企画を展開。講師にアーティストのTakuma Nakataさんを迎えたレクチャーイベント「プロジェクション・マッピングのもたらす新たな映像体験」も予定する。
「『スクリーンから飛び出せ!』というテーマで作品を選んだところ、3D作品はもちろん、2D作品上映+生演奏など、かなり実験色豊かなラインアップになった。企画した僕たちも予想しなかったような、既存の枠組みから飛び出すような新しい映画体験が生まれる予感がしている」と同館スタッフの井手さん。
上映作品や上映時間についてはホームページで確認できる。11月16日まで。