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農園を舞台に人と野菜、人と人、人と街をつなぐ 三鷹オーガニック農園「ぶどうの森 グランピングフィールド」

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提供:公益財団法人 東京観光財団 編集:吉祥寺経済新聞編集部

 食事や買い物を楽しむ人でいつもにぎわいのある人気の街・吉祥寺。そのすぐ隣にある三鷹エリアは、豊かな緑や池が広がる井の頭公園、ジブリ美術館などがあることで知られているが、実は街なかに畑が点在し、野菜や果物を育てる農家さんが多いことは意外と知られていない。

 今回はそんな三鷹で無農薬野菜を育てるだけでなく、収穫した野菜でバーベキューやキャンプ体験ができたり、ぶどうを栽培してワインを醸造したり、時にはファッションショーの会場として場を提供するなど、驚くほどワクワクするような場づくりを手がけている「ぶどうの森 グランピングフィールド」をご紹介したい。

三鷹駅からも程近い住宅街の中に広がる三鷹オーガニック農園

100年以上にわたって受け継いできた農園

 「ぶどうの森 グランピングフィールド」は、三鷹駅からバスでわずか10分ほどの場所にある「三鷹オーガニック農園」内にある。広々とした農園を運営するのは旅行会社「旅倶楽部」の代表を務める金子晃さんだ。伺えばなんと江戸時代から100年以上にわたって受け継ぎ、守り続けてきた畑なのだそうだ。

農園を運営する「旅倶楽部」代表の金子晃さん(左)とスタッフの亀本知美さん(右)

 「先祖代々、農家でしたが祖父の代より漢方薬の問屋を生業にしてきました。漢方の薬草の研究や原料となる植物の栽培もしていて、かつては漢方薬を保管する大きな蔵もいくつか建っていました。農家を営む父も肩書きは薬剤師です。そうした経緯もあってこの農園では早くから無農薬、有機栽培に取り組んでいました」と金子さん。

 野菜を作る一般の農家と少し違うのは、農園で行っている主な活動が「農業スクール」とイベント・グランピング施設「ぶどうの森 グランピングフィールド」であることだ。そのどれもが、農家とは別の道を歩んできた金子さんの発案によるもの。アイディアの源は一体どこにあったのだろうか。金子さんに伺うと「本当は、土いじり大っ嫌いでした」と笑い飛ばす。

農園内の草刈り隊として活躍する3頭のヤギは祖母・母・娘の3世代

 「いつかはこの土地を自分なりに引き継がなければいけないという義務感のようなものはずっと持っていました。でも、私は旅行会社に普通に就職しました。旅行会社の仕事は楽しく、夢中になり、結果カリスマ添乗員なんて言われるようにまでなってしまいました。『旅をするなら金子さんにお願いしたい』と大学や企業、クライアント様におっしゃっていただいて、さまざまな企画を考えたことも良い経験だったと思っています。そして、その後に旅倶楽部という会社の代表になりました。

 父も高齢になり農園を手伝うことになった時、ワクワクするようなツアーの提案や顧客それぞれに合わせたきめ細やかなサービスなど、旅行会社で積み重ねてきた経験や発想力がこの農園で生かせるのではないかと思うようになりました。子どもの頃から実家を手伝ってきていましたので、農業のやり方はわかっていましたから、そこにプラスして、みんなが集えるよう新規の農園施設を整備しつつ、広い農地はやりたい人に来てやってもらいたいなと考えて始めたのが、オーガニックの野菜づくりを学べる農業スクールのスタートでした」

年間50~60種類の野菜を無農薬、有機栽培で育てる

農園で始めた3つの農業スクール

 金子さんが2009年に始めた「安全な野菜づくりのカルチャースクール」は、農業栽培研修型の貸し農園形態をとる。いわゆるF1種(品種改良を行った種で栽培は一代限り)ではなく、昔ながらの農家が代々受け継ぎ用いる種(=固定種、在来種の2種)で野菜を作る。固定種・在来種とは、花が咲いて付いた実から種を取ってまた蒔いて…と自然な循環で栽培される品種だ。「水も水道水ではなく溜めておいた雨水を炭で濾過して使うなど、本格的に学びたい人に向けたこだわりの有機農法を1年かけて教えています」と、金子さん。

 「安全な野菜づくりのカルチャースクール」を始めたことがきっかけとなり、金子さん自身さらに欲が芽生えた。もっと学びたいと、埼玉県・小川町の「霜里農場」(有機栽培の実施力では「日本一」と語られることが多い農場。スクーリングもやっている)に、自ら受講生として足を運んだ。その後、なんと「霜里農場」の指導員にもなり10年通うことになる。やがて同農場のスタッフと共に初心者向けの野菜づくりの講座、「みたか有機野菜塾」をこの地でスタートさせたのだ。一昨年からは吉祥寺の有機レストラン「タイヒバン」を運営するオーガニックぶどうの専門家・湊泰樹さんを招き、なかなか手がけている人はいないという完全無農薬によるぶどう栽培が学べる「ぶどうの学校」も始めた。

 こうした農園での展開を次々に思いつき、実際に形にしてきた金子さん。ぶどう棚を見渡しながらさらなるひらめきが生まれる。

「ぶどうの学校」では栽培だけでなくオーガニックワインづくりにも挑戦

農園ならではの新たなワクワク体験

 「無農薬でぶどうを育てるにあたって、雨に濡れて病気になることを防ぐためにも屋根をつける必要がありました。それを見て『ぶどう棚の下でキャンプができたら面白いかも!』と思いついたんです」

 これが2021年にオープンした「ぶどうの森 グランピングフィールド」の始まりだったのだ。

 長い時間電車に揺られて遠出することなく、暮らしている街なかにあるこの農園でできるアクティビティは想像以上にさまざまだ。屋根のあるぶどう棚の下でのキャンプは全天候型で手ぶらで気軽なデイキャンプだけでなく、自由に宿泊を楽しむ滞在プランも用意されている。テントを張ったり、バーベキューで食べる野菜を自分たちで収穫したり、薪わりや草刈り隊として活躍するヤギたちとのふれあいまで経験できる。

 キッチントレーラーや本格的なピザ窯も設えてあるので、有機野菜を使った食事やオーガニックの自家製ドリンクを味わったり、ピザ焼きも体験したりできる。半日、もしくは一晩を過ごして農園の門を出る頃には、ここが東京の真ん中であったことに、なんだかはっとしてしまうだろう。

安心安全でおいしさがぎゅっとつまった野菜を収穫

ピザづくりでは新鮮な野菜や果物をトッピング

 「旅行会社での添乗員時代に一番大切だと考えていたのは『自分が一番おもしろがること』。自分が楽しくなければお客さまも楽しくないと常に思っていました。この農園も大根一本いくらという商売ではなく、旅行会社のように人に夢を与えられるような、何かワクワクするような体験ができる場になればと思っています」と金子さん。

 「その上でただ場所を提供するのではなく、何か目的のある体験や、同じ思いを持った人との出会いや仲間づくりができるような企画を大事にしたい」と続ける。

 「ここで育てている有機野菜は、都内にある有名なレストランのシェフも欲しいと買いに来てくれるのですが、例えばそうしたシェフの皆さんにお願いして料理が楽しめるキャンプができたらいいなと思っています。ほかには防災をテーマに、災害があった時にどうやって火を起こしたら良いかだったり、一斗缶に穴をあけてコンロ作りをしたり、農園にある竹やぶから切り出した竹筒でご飯を炊くなど、現代ではそうした機会は少ないですが、ひと昔前だったら当たり前にお父さんお母さんが知っていて子どもに伝えていくようなことを、その代わりになって親御さんやお子さんたちと一緒に体験できるような、テーマ性のあるキャンプも提供していけたらと思っています」

本格的なピザ窯で焼くピザもおいしいと評判

農園を人が行き交う地域の観光拠点に

 さまざまなアクティビティを提供する「ぶどうの森グランピングフィールド」だが、金子さんにとってはまだまだやりたいことの第一歩に過ぎないと夢は広がる。

 「春先には野だてやピクニックもいいかもしれませんし、コンサートやかがり火を焚いて能を見るような、文化や芸術に触れることができるイベントもできたらいいですね。現在展開しているグランピングにとどまらず、今後はパブリックスペースのような空間を作り、そのまわりに食事ができる場所やさまざまなお店、例えば天然酵母を使った納豆屋さんやクラフトビール、ワイナリーのようなオーガニックに関連した店、農園ファッションなど服を売るような店を並べても面白いのではと考えています。

 実際、農園内にある倉庫の1階部分を農園レストランにする計画を進めているのですが、農園で育てたぶどうから作ったワインなども楽しんでもらえたらと思っています。昨年初めてナイアガラというぶどう品種を中心に33本のワインを、ワイナリーを通し醸造しましたが、これがほんとうにおいしいと評判だったんですよ」。

日常を離れ、ぶどう棚から差す木漏れ日の中でゆったりと過ごすひと時

 「私にとって三鷹に『ぶどうの森グランピングフィールド』という拠点があることは非常に大きな意味を持っています。というのも将来的には今の活動をベースにこの農園を街のハブになるような、観光事業の拠点にできたらと考えているのです。例えるならアジア各地への旅の発着点であるシンガポールのハブ空港のような場所になるかもしれません。

 三鷹や武蔵野というエリアには魅力的な場所、観光スポットがたくさんあります。でも伝える発想が沸かなければ、素晴らしいダイヤモンドもただの石にしか見えないのと同じです。大事なのはアイディア豊かに周りの人たちを巻き込みながら、それをいかに美しく輝かせるかだと思っています」と、金子さんの夢は広がる。

ライトアップされた夜の農園は昼間とは違った顔をみせる

 「農園の周囲にも小説家・太宰治や、近藤勇の生家跡など新撰組ゆかりの地、深大寺といった観光スポットがあります。『ぶどうの森グランピングフィールド』に滞在して、そこからツアーに出かけるなど地域観光のブラッシュアップにもつなげていきたい。そのためにもこの場所を知っていただき、一層魅力的な場所にできるような企画を提供していきたいと思っています。

 どちらかというとこれまで私は一匹狼。一人で奔走してきましたけれど、みんなが楽しんだり喜んだりしている姿をみると、まだ自分が見ていなかった風景が見えますし、最近はいいことしているのかなって思います(笑)。有機野菜だけでなく、何かこだわりを持った人たちが集まって一緒に楽しんでいけたらうれしいです」

「人が行き交うハブ空港のような農園に」と語る金子さん

 季節折々にさまざまな楽しみ方ができる、この自然にあふれた三鷹オーガニック農園の中にある「ぶどうの森 グランピングフィールド」。そして運営する金子さんの溢れるようなひらめきならではのイベントや企画。農園やこれから体験できるアクティビティはホームページのほか、noteや動画でも発信されている。キャンプに宿泊、おいしい食事に未知なる体験、東京の三鷹という近場でこんな大きな旅に出たようなワクワクを感じられる場所があるのだ。皆さん、ぜひチェックしてみてはいかがだろう。

INFORMATION

あつまれ!! ぶどうの森GLAMPING FIELD

住所:東京都三鷹市上連雀9-16(三鷹オーガニック農園内)
Tel: 080-2001-1665
HP: http://budonomori.com/
note: https://note.com/budonomori
Youtubeチャンネル: https://www.youtube.com/@user-nm6td1jw5q
Instagram: budonomori_glamping_field

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