株式会社Trustyyle（本社：東京都中央区・代表取締役：吉田洋介）は、運営するコミュニティ「人事図書館」主催にて、「すぐ使えるHRデータ活用術　～人的資本経営時代の人事実務を変える第一歩～」を2025年5月13日に開催。登壇者は株式会社Matilda Books代表取締役の百野拓也氏。組織人事コンサルタントとしてM&A領域や人材育成プログラムに従事した後、独自のHRデータ活用支援事業を手がけており、実務視点に即したノウハウが披露されました。

イベント概要
【1．人的資本開示の潮流と「データで語る人事」へのシフト】
近年、上場企業を中心に人的資本経営や開示が注目され、「人材投資」「離職率」「女性管理職比率」といった人事関連の定量情報を求める声が高まっています。セミナー冒頭では「いまや人事が数字で語る重要性が増している」というテーマが提示されました。
しかし現場では、「エクセルでバラバラ管理している」「各事業部によってデータの粒度が違う」「退職理由を自由記述でしか聞いていない」など、分析可能な形にまとまっていないケースが非常に多いのが現状です。百野氏は「初期段階から完璧を目指さず、まずは誰でも使える手段で、目的に合ったデータを集め始めること」が肝要だと強調しました。

【2．HRデータ収集の基礎：オンラインアンケートフォームや表計算ソフトで“小さく始める“】
採用・評価・配置・スキル・エンゲージメント・離職といった人事領域独特の数字指標に関して、これらのデータを“ある程度のフォーマット“で集約するだけでも、組織課題の仮説検討が大きく進むと説明がされました。重要なのは、自由記述だけに頼らず、可能な限り選択式や数値化を行うこと。同じ設問とフォーマットを使い、定点観測することであると説明されました。

【3．データ分析から社内提案へ：相手別の“見せ方“と”ストーリー“】
セミナー後半では実際のデータをもとに、「対話不足→成長実感の欠如→若手の離職」に至っている可能性を仮説化し、管理職向けのフィードバックスキル研修を短期間で導入する例が紹介されました。ここで大切なのは「数字を出す」→「原因を仮説立てする」→「打ち手を提案する」というステップです。

【4．さらなるデータ活用のステップ：ツール導入と専門知見】
百野氏は「まずは小さく始める」ことの意義を強調した一方、より高度な分析が必要な場面では専用ツールや外部知見を活用する選択肢も紹介。たとえば、研修中の対話ログやエンゲージメントの変動をリアルタイムで可視化し、参加者の離脱傾向を把握するソリューションなど、最新事例の一端が披露されました。

参加者アンケート
「データ分析の心得を学ぶことができ、大変勉強になりました」
「途中参加でしたが、 ‘感覚で語る人事’の危うさを実感。目的と仕組みが大事と再認識」
「人事データがバラバラで困っていたが、カテゴリ分けして一歩ずつ収集してみようと思えた」
「データの見せ方・語り方で社内説得力が変わることを改めて感じました」
「退職理由の項目化や定点サーベイなど、実務ですぐ活かせるtipsが多かった」

登壇者プロフィール


百野 拓也氏
株式会社Matilda Books 代表取締役デロイト トーマツ コンサルティング合同会社にて、組織人事コンサルチームに所属、M&AのPre・Postフェーズにおける組織人事領域のプロジェクトに従事。
独立系ベンチャーキャピタルに参画後、イノベーション創出をテーマに人材育成を目的としたプログラム設計等を実施。
Matilda Books創業後、人と組織の強化を通じた新たな価値創出を目指し活動中。



人事図書館とは


2024年4月1日に東京人形町にオープンした、人事関連職が集まるコワーキング×コミュニティ。2500冊以上の人事に関する書籍と600名以上の会員を有しており「仲間と学びで、未来を拓く」をスローガンに運営している。
所在地：東京都中央区日本橋蛎殻町1-12-7　WACROSS NINGYOCHO 6F
設立：2024年4月1日
公式ホームページ：https://hr-library.jp/
公式X：https://x.com/hr_library0401/