この度、土地の記憶に向き合う作品を国内外で発表してきた吉野祥太郎が、2024年9月21日(土)~2025年3月16日(日)に下山芸術の森 発電所美術館(富山県)にて、吉野祥太郎 個展「Mythology -土地の記憶-」を開催します。
吉野祥太郎はこれまで、「土地の記憶」を主題に、大地や自然環境の変遷といった土自体に宿る記憶を、大規模なインスタレーションや立体作品で表現してきました。特に記憶の層として土を立てる「その土地の記憶を汲む[Draw the History of the Ground]」シリーズは、瀬戸内国際芸術祭でのアーティスト・イン・レジデンスを筆頭に国内外の各地で発表されました。また近年では、水やミラーフィルムを用いることでより有機的で流動的な作品世界を構築し、鑑賞者を土地だけでなく内面世界の記憶へと誘っています。
今回の展覧会では、発電所美術館が過去に動力としてきた水をモチーフに、富山の土地や個人の深層、そして異次元空間といった多様な記憶へと接続する、壮大な新作インスタレーションを発表します。作品によって新たに編み直される記憶は、神話(Mythology)として鑑賞者一人ひとりに語り継がれるでしょう。ぜひご来場ください。
■プロフィール
吉野祥太郎(よしの・しょうたろう)
アーティスト、1979年生まれ。東京造形大学美術学科彫刻専攻。「土地の記憶」を主題に、大地に宿る記憶と、そこに生活し訪れる人間の関わりを問う作品を制作している。主な展覧会に「創設神話 -aition-」(岩崎ミュージアム、2024)、「立てる記憶」(吉祥寺美術館、2023年)、「呼吸する境界線」(宇フォーラム、2020)。主なグループ展に「山梨国際芸術祭」(山梨、2023)、「Paralleles Obliques|交差する平行線」(横浜、2018)、「8 LAND ART FESTIWAL Fundacja Lataj??ca Ryba」(ポーランド、2018)、「LAND ART DELFT 2017」(オランダ、2017)、「ECHANGEUR 22」(フランス、2017)、「水と土の芸術祭」(新潟、2015)、「瀬戸内国際芸術祭/小豆島アートプロジェクト2012」(香川、2012 ) 。東京造形大学非常勤講師
■吉野祥太郎のコメント
かつて水力発電所であった場所の記憶が、水面に揺らめく光のように蘇る。ミラーフィルムがつくり出す光は過去と現在、そして鑑賞者の心に眠る記憶を映し出し、また空間に設置されたブランコは、時間軸を超越する異次元の旅へと揺れるたびに鑑賞者を導き、記憶と場所との繊細な対話を誘起する。
■キュレーター・田尾圭一郎のコメント
本来はその土地の民俗や歴史を象徴するナラティブとして存在する“神話”を、吉野は実に現在的な生命体として表現する。水と光、鑑賞者が作品を写し鏡に変容し続けるジェラティブな空間は、いまこの場が神話となり得ることを、そして神話もまた有機的であることを提示しようとしている。人間至上主義がほつれを見せ、自然との共生やレジリエンスが問われる現代社会における神話とは、かくあるのかもしれない。
■開催概要
展覧会名 吉野祥太郎 個展「Mythology -土地の記憶-」
会期 2024年9月21日(土)~2025年3月16日(日)
会場 下山芸術の森 発電所美術館
開館時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜日、祝日の翌日、12月23日(月)~2025年1月10日(金)
観覧料 一般600円、高校・大学生300円、中学生以下無料
Web https://www.mythology-art.net/
主催 公益財団法人入善町文化振興財団
キュレーション 田尾圭一郎
技術提供 柴辻健吾(彫刻家)
協力 Yu Harada、荻原玲美
■アクセス
所在地 〒939-0631 富山県下新川郡入善町下山364-1
電話番号 0765-78-0621
JR北陸新幹線 黒部宇奈月温泉駅よりタクシーで約15分
あいの風とやま鉄道 入善駅よりタクシーで約10分
北陸自動車道 黒部インターチェンジより15分
■トークイベントのご案内
10月5日(土)午後5時より、吉野祥太郎によるトークイベントを小平シルバー荘アトリエ(仮)にて行います。展覧会の内容や作品の背景について東京の方にご紹介する機会となりますので、ふるってご参加ください。
「Mythology -土地の記憶-」トークイベント
登壇 吉野祥太郎/田尾圭一郎(聞き手)
日時 10月5日(土)午後5時~6時
場所 小平シルバー荘アトリエ(仮) 東京都小平市学園西町2-10-15
料金 無料(1ドリンク制)
出席をご希望の方は、10月4日(金)までに広報事務局へメールでご連絡ください。また、ご出席者のフルネーム、ご連絡先メールアドレス、電話番号をお書き添えください。
連絡先:info@taoplanningoffice.com(田尾企画 編集室)
■本件に関するお問い合わせ先
田尾企画 編集室 広報事務局
E-mail:info@taoplanningoffice.com