吉祥寺の西三条通り沿いでカキのイタリアンとスパニッシュ料理を提供するオイスターバル「吉祥寺スパイラル」(武蔵野市吉祥寺本町2、TEL 0422-27-2393)が7月1日で5周年を迎えた。
モアリトル(吉祥寺本町)が経営する同店。社長で店主の佐藤勇士さんは20年前に長野から上京。自分の店を持つなら住環境が良く、地元の空気感に近かった中央線沿線と考えていたところ、「憧れの街」吉祥寺の物件に巡り合い、「人が笑顔になる時間、心が幸せになる時間を提供したい」と2015(平成27)年にオープン。「都心にオイスターバーは多いが郊外には少ない。より多くの方に、おいしくて栄養価が高いカキの魅力を伝え、食べる機会を増やしたい」との思いで営業を続けてきた。
「カキは高級食材ではなく、大衆向けの食材」と考え、価格設定は1ピース300円から。常時6~8種類の産地のカキを用意する。7月の生ガキのラインアップは、マガキ=福岡・糸島みるく、岩手・大槌(以上300円)、岩手・赤崎、北海道・知内(以上400円)など。夏が旬で大振りの岩ガキは兵庫・赤穂クリスタル(400円)、福岡・糸島サウンド(650円)。「産地や季節で味わいが変わるため、『旬の生ガキ食べ比べ』がお薦め」と佐藤さん。
調理方法で、フライドオイスター、自家製ホワイトソースと粉チーズ「グラノバラーノ」をかけてこんがり焼いた一口グラタンのオイスターロックフェラー、カキの西京みそバター焼きなど(各300円)を提供。他にマグロとアボカドのミルフィーユタルタル(650円)、イベリコ豚のサラミとハモンセラーノの生ハムの盛り合わせ(850円)、フィレの陽炎ステーキマデラワインのソース(1,700円)など。ドリンクは、自家製サングリア(580円)、グラスワイン(600円~)など。ワインはカキに合わせて取りそろえる。
店内はテーブルを9卓から7卓に、カウンター席を5席から1席に減らした。テラス席は2人掛けの丸テーブル2卓を用意する。
コロナによる外出自粛を受けて、テークアウトを4月3日に始めた。季節のペペロンチーノ、デミグラスハッシュドビーフライス(以上1,000円)などのランチメニューのほか、アラカルトの生ガキの殻付きワイン蒸し(3ピース)、フライドオイスター(4ピース)フライドポテト添え(以上1,000円)、カキときのこのチーズ クリーム生パスタ(1,400円)なども提供する。
「店には地元をはじめ、心のつながりを大切にする温かいお客さまがお越しになる」と佐藤さん。「5年の間に周辺でも多くの店が入れ替わったが、紆余(うよ)曲折しながら何とか存続してきた。月日がたつにつれ、当店を応援してくださるお客さまが少しずつ増えていると感じている。これからも街に育んでいただきながら、笑顔を提供できる吉祥寺の心のオアシスになるよう精進したい」と意気込みを見せる。
営業時間は12時~14時(ランチ)、17時~22時(ディナー)。テークアウトは16時~20時30分。月曜定休。