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手仕事の器や道具集めた吉祥寺「つみ草」が10年目 郷土玩具増やす

末広通りにのれんが揺れる「つみ草」の店頭

末広通りにのれんが揺れる「つみ草」の店頭

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 吉祥寺・末広通り商店街で器と道具を販売する「つみ草」(武蔵野市吉祥寺南町2、TEL 0422-24-9585)が今年で10年目を迎えた。

店の奥に手作りした展示会なども開催できるギャラリースペース

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 器メーカーでデザイナーとして働いた後、インテリアデザイン事務所勤務を経て「質の良いものを扱いたい」と店を始めた店主の小林裕二さんは「自信を持って薦められるものを集めてきた」とオープンからを振り返る。妻で販売を担う店長の峰子さんは10年の変化を「末広通りの先、吉祥寺駅から10分の井の頭通り沿いにあった『前進座劇場』が2013年に閉館されたことが大きい。芝居を見る人たちが立ち寄ってくれたが、末広通りを行き交う人の流れが変わった」と話す。

 商品は普段使いできる器と普遍的で昔からある荒物や道具を半々に600点以上。「民芸品を置く店は増えたが、編組(へんそ)品のかご、ざるなどをこれほどのそろえているのは吉祥寺では当店だけかも」と小林さん。箒(ほうき)は「形が好きで」、南部、中津、江戸(白木屋伝兵衛)、和歌山(シュロ)の4地域のものを洋服や畳用など種類別に取りそろえる。

 オープン時からの品ぞろえが一番増えたのは郷土玩具。小林さんが趣味で集め、レジの後ろに飾っていたこけしなどの民芸品を見た客が「欲しい」と言った声に応じて買い付けを始め、オープン時に1点だけだったのが20種類を越えた。「地元の店にも置いていないのに」と買っていく客もいるという。

 2017年、店の奥にあった5畳ほどの事務所を小林さん自らが手作りで改修してギャラリースペースを作った。常設では土瓶(どびん)や茶器、作品を伝えることで後世に残したい鳥取の民芸木工品など、小林さんがセレクトした商品を並べるほか、地方に埋もれた職人の作品を紹介したいと自主企画する会場にも使う。5月29日~6月9日は「物語の中の動物展」として、焼き物と張り子が「コラボした」展示会を開くという。

 小林さんは「お客さまは7割が南町。目が肥えている地元の人に支えられてここまで来た。民芸品が好きな人が集まる場として認知されてきたが、ギフトにと何か特別なものを探すとき吉祥寺ならではのものをそろえる店でありたい」話す。「無名の作り手を掘り起こし、その良さを発信する場として、道の流れは変わったが変わらずに伝えていきたいものがある」とも。

 営業時間は12時~20時(1月~3月は19時閉店)。月曜・火曜定休。

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