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山田詠美さんエッセー集 吉祥寺に住みつづった95編、直筆の後書きも

山田詠美さんのエッセー集「吉祥寺デイズ」の表紙は井の頭公園をイメージしたもので、スワンボートには眉毛も。挿画は川原瑞丸さん

山田詠美さんのエッセー集「吉祥寺デイズ」の表紙は井の頭公園をイメージしたもので、スワンボートには眉毛も。挿画は川原瑞丸さん

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 作家で吉祥寺在住の山田詠美さんの単行本「吉祥寺デイズ うまうま食べもの・うしうしゴシップ」が小学館から刊行される。発売は3月12日を予定。全304ページ。

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 1959(昭和34)年生まれの山田さんは、1985(昭和60)年に「ベッドタイムアイズ」で文藝賞を受賞し作家デビュー。1987(昭和62)年「ソウル・ミュージック ラバーズ・オンリー」で直木賞を受賞したほか、2005年の「風味絶佳」、2012年「ジェントルマン」など数多くの受賞作品がある。

 同書は2015年から同出版社の雑誌「女性セブン」に連載され、現在も続くエッセー「日々甘露苦露(かんろくろ)」から95編を収録したもの。山田さんは大学時代に住んでいた吉祥寺に再び住み、20年近くになるという。

 編集を担当した橘高真也さんは「西荻窪を舞台に、お金はないが豊かな暮らしを楽しむ40過ぎの男女を描いた山田さんの『無銭優雅』を地で行くようなエッセー。山田さんの作品が好きな人には、これまでの作品に登場する小物も随所にちりばめられているので、より楽しんでもらえるのでは」と話す。

 夫婦での旅や舌鼓を打った食べもの、文学、政治、ゴシップなどについて書いた中には「東急百貨店」や「吉祥寺アトレ」の魚店など地元ゆかりの名前も登場する。「山田さんは、吉祥寺の街は格好つけることなく自分らしくいられる街だと思うと語っていた」と橘高さんは言い、「エッセーは最近の折々のニュースにも触れている。読み通した時に、吉祥寺で暮らす山田さんの日常が立ち上がってくるような本になれればとボリュームのある1冊にまとめた」と振り返る。

 「作る時にまず考えたのは、地元吉祥寺で愛される本にしようということ。後書きには手書きで原稿を書かれる山田さんが実際に使っている特製原稿用紙につづった直筆も掲載している。『自分が良いと思えばいいのではないか』というメッセージを吉祥寺に住んで発信する山田さんの、どこか肯定感があり人生が楽しくなるような一冊を楽しんでもらえたら」と呼び掛ける。

 3月17日13時から吉祥寺の書店「BOOKSルーエ」でサイン会も予定する。定価1,350円(税別)。

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