JR三鷹駅南口周辺で11月23日から4日間行われた「第1回三鷹連雀映画祭」が26日閉幕した。来場者数は延べ619人。主催は三鷹シネマ倶楽部。
24日・25日の会場となった「三鷹産業プラザ」7階特設会場にゲストが登壇する様子
2012年から「映画遠足」と題し、メンバー同士映画館で映画を鑑賞、その後作品について語り合う回を重ねてきた同倶楽部の3人が企画した同映画祭。これまでの活動で縁のあった人や作品を応援したいと、日本映画やインディペンデント作品を中心に、短編から長編まで22作品を上映した。うち2本は同市内で映画上映イベントを行う「グッドムービークラブ」の企画とコラボ。
企画者の一人、永野貴将さんは「全国的にミニシアターの数が減り、規模の小さな作品を鑑賞する機会が失われつつある中、隠れた名作をスクリーンで観ていただける良い機会になったと思う」と話した。
「企画した自分たちもスタッフも皆、普段から映画館に通う映画好きばかり。ゲストやお客さまから『映画愛を感じる映画祭だね』と多くの声を掛けていただいたことがうれしかった」とも。
上映後は監督、出演者がスクリーン前に登壇し、作品への思いや製作時のエピソードなどを話し、その数は実行委員の予想をはるかに超える89人に上ったという。永野さんは「三鷹にこれだけの映画人が集結したのは初めでは」と言い、同じく企画者の神原健太朗さんも「多くの映画祭にスタッフとして関わってきたが、人とのつながりによって成り立っているということを今回より強く感じた。これまでの活動の経験やつながりを最大限生かすことができたのでは」と振り返った。
ゲストトークのほか、落語会、殺陣(たて)パフォーマンスも。「最終日は上映作品にちなみ、会場で魚の販売も行った。初めてながらほかにない映画祭を体験していただけたのでは」と神原さん。
同じく山田浩之さんは「約1カ月という短い告知期間だったが、多くの方に足を運んでいただけた。三鷹に映画館を作りたいという思いとともに2010年に始まった三鷹コミュニティシネマ事業が、市民主催による定期的な上映会、食と映画のコラボイベント、地元の人にスポットを当てたドキュメンタリー映画の上映会と三鷹で発展してきている」と話す。
永野さんは「開催を終えて今後も継続していける自信になった。市民による手作りの映画祭なので、来年はもっと地域の皆さんと協力して、連雀映画祭にしかできない面白いことができたら」と意気込みを見せる。