井の頭自然文化園(武蔵野市御殿山1)で飼育されていたアジアゾウの「はな子」(メス)が5月26日午後、推定69歳で死んだと発表された。死因ははっきりしておらず、27日に解剖が行われる。
3月に行われる予定だった誕生会は体調不良で中止となり、当日は地元に住む人々やはな子のファンたち850人が見舞いに訪れた。
飼育員によると、昨日は特に変わった様子はなく、食欲は落ちていたものの体調は安定していたとのことだったが、8時ごろに横になったまま起き上がらないはな子を見つけ、内臓を圧迫しないようにロープを使って寝返りを打たせようとするなどの措置を行っていた。その後、15時過ぎ、飼育員の看護もむなしく、はな子は天国へと旅立った。
はな子は暴れたり苦しんだりすることはなく、恐らく死因は「老衰」と思われる。記者会見した永井清園長は「もう少し長生きさせてあげたかったのが正直な気持ち。日本一愛されたゾウだと思うので、これまで「はな子」を愛してくれた人たちに感謝します」と残念な気持ちをにじませながら語った。
【ゾウのはな子】
1947年春ごろ、タイのクンジャラ農園で誕生
日本の子どもたちの要望を受け、1949年タイのバンコクを出発し日本に到着
同年9月4日上野動物園へ輸送され「はな子」と命名される
1954(昭和29)年に上野動物園から井の頭自然文化園に移動
2013年、66歳で国内最高齢記録を更新した