吉祥寺バウスシアター(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-3555)で3月24日~30日、ドキュメンタリー映画「カムイと生きる」が期間限定上映される。
同作品は、当時わずかに残っていたアイヌ集落で生まれ、現在73歳の浦川治造さんの日々をつづったドキュメンタリー映画。タイトルの「カムイ」はアイヌ語で「神」や「自然」「霊」などを意味する。浦川さんは、父親からアイヌの伝統的な知恵や技術、自然との共存を大切にする「アイヌプリ(アイヌらしい生き方)」を教えられ、時代が変わった今もなお、自然との対話を大切にしながらアイヌプリを貫いている。
映画の中には浦川さんの長女や次女をはじめ、浦川さんを取り巻く仲間たちのインタビューも登場。ナレーションは浦川さんのおいに当たる俳優・宇梶剛士さんが担当する。北海道の雄大な自然、幻想的なアイヌの唄や古式舞踊による映像美と共に、「アイヌの治造」こと浦川さんの生き方を描く。
同館スタッフは「治造さんと幼なじみのおばあさんが、今はもう記憶の中にしかないアイヌの歌を、初めはゆっくりと思い出しながら、やがて夢中で歌う姿に胸を打たれた」と話す。「治造さんの生き方からは、語り継がれるアイヌの生活を知る事ができるだけでなく、現代の日本人が失いつつある大切な何かを垣間見ることができるはず」とも。
上映に合わせて、浦川さんと出演者による舞台あいさつや、同作品の音楽を担当した尺八奏者・岳人山(がくじんざん)さんによるテーマ曲生演奏などのイベントも開く。開催日程などは同館ホームページで確認できる。
上映開始は11時15分。チケットは、一般=1,500円、学生=1,300円ほか。