マーブルトロン(杉並区高円寺南2)は9月29日、細野晴臣さんの単行本「アンビエント・ドライヴァー」(1,890円)を発刊した。発売は中央公論新社で、全国の書店・レコード店などで発売している。
細野晴臣さんは、中学時代から音楽活動をはじめ、1970年に「はっぴえんど」、その後「キャラメルママ」「ティン・パン・アレイ」を結成し、ミュージシャン、プロデューサーとして多面的に活動を展開。1978年に坂本龍一さん、高橋幸宏さんらと「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」を結成したことは有名。90年代に入りアンビエント・ミュージックの世界に深く傾倒、1997年頃にはポップフィールドに回帰し高橋幸宏さんと「スケッチ・ショウ」を結成。また今年8月には、現在活動中の自身が率いる「東京シャイネス」の初のライヴDVD作品を発売し、苗場で開催されているフジロックフェステイバルにも出演するなど、日本の音楽シーンの最先端に立ち続けている巨人。
同書は、細野さんがアンビエントというキーワードと出会うところから、アンビエント・ミュージックへ傾倒、ネイティヴ・アメリカンの知恵と世界観に出会い、そこから回帰する現在までの、音楽を軸とした自身の私生活、交友、環境、精神への関心などが多岐にわたり書かれている。バブル期を駆け抜ける日本を、細野さんという日本を代表するアーティストが、どのような意識で生きたかを知ることができて興味深い。
装幀は、現在大変注目されているイギリス人2人組によるデザインユニット、その名も和名が話題の「生意気」が手掛け、本文中にアートデザインされた挿絵が「アンビエント」の世界観を表現している。
発行元の同社担当者は「発売後すぐに増刷が決定し大変話題を集めている。書店でのイベントも予定している」という。