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武蔵野のシェフ、「南部美人」でチョコレート-幼なじみの蔵元とコラボ

南部美人を使ったチョコレートを作った猿舘さん

南部美人を使ったチョコレートを作った猿舘さん

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 三鷹駅北側にある洋菓子店「マ・プリエール」(武蔵野市西久保2、TEL 0422-55-0505)のシェフ猿舘英明さんが、生まれ故郷・岩手の銘酒「南部美人」でチョコレートを作った。東日本大震災の被災地を応援する気持ちも込め、新宿高島屋で開催中のバレンタインフェア「アムール・デュ・ショコラ」に出品している。

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 猿舘さんの実家は岩手県二戸市に明治時代から続く和洋菓子店。道を挟んで斜め向かい側に「南部美人」の蔵元があった。5代目となる久慈浩介さんは2歳年上の幼なじみで、物心がつくころから一緒に遊んできたという。2003年、パリの菓子店で修業していた猿舘さんが、日本酒のPRのために現地を訪れた久慈さんと再会した際、「いつか日本酒を使って洋菓子を作ろう」と約束。以来、猿舘さんは南部美人でトリュフを作るなどしてきた。今回のコラボレーションは、震災以来、岩手の産業復興による被災地支援を呼び掛けていた久慈さんに猿舘さんが連絡したことで実現した。

 出品しているのは「南部美人 ショコラギフト」(1,680円)。南部美人の特別純米酒と糖類無添加梅酒で作ったチョコレート計5個が入る。ガナッシュを作る際、通常は溶かしたチョコレートに生クリームを加えて乳化させるが、猿舘さんは生クリームの代わりに沸かした酒を加えた。ウイスキーボンボンのように中に液体が入っているのではなく、チョコレートと一緒に固形化しており、口に入れると酒が徐々に溶け米の香りが広がるようにした。日本酒はいくつかのタイプを試したが、チョコに負けない米の香りを残す酒として二戸産の米を使った「特別純米酒」を選んだという。

 猿舘さんは「被災地を支えるためにもバレンタイン後も作り続けていきたい。南部美人を使うことで何らかの形で岩手を元気づけられたら」と話す。

 バレンタインフェアは今月14日まで。フェア終了後は、原材料がそろい次第店舗で販売する予定。同店の営業時間は10時~20時。

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