吉祥寺のカフェを併設したアートスペース「Art Center Ongoing(アートセンター・オンゴーイング)」(武蔵野市吉祥寺東町1、TEL 0422-26-8454)で現在、鈴木光さん、芳賀龍一さん、早川祐太さんによる展示「inging」展が開催されている。
3人はともに2008年、武蔵野美術大学彫刻学科を卒業。鈴木さんはIAMAS(情報科学芸術大学院大学)、芳賀さんと早川さんは武蔵野美術大学大学院に進み、さまざまな展覧会で作品を発表し続けている。
鈴木さんはドキュメンタリーの手法を用いながら、独自の映像世界を表現する。作品の題材とするのは、自らの体験や身近な人々。「そこに詩的な情景が組み合わさることで、ドキュメンタリーの生々しさは中和され、代わりに映像美と静けさが漂う」(同スペース代表の小川さん)。
芳賀さんは「空間全体を変容させるようなダイナミックな表現が得意」。古井戸に複数のミラーボールをつるし、ディスコ空間を作り上げたこともある。「ばかげた作品群からは小難しい抽象概念で固めた美術表現をあざ笑うかのような、ある種の清々しさすら覚える」。
早川さんが得意とするのは、物理現象を用いた立体表現。「人間の手から生み出されたにもかかわらず、自然物のような美しさと均衡を保った不思議な魅力にあふれている」。
会期中、各種イベントも予定。5月2日にはトークイベントを行い、「童貞。をプロデュース」や吉祥寺を舞台とした「ライブテープ」を手がけた松江哲明監督がゲストとして登場する。開催は19時からで定員は40人。参加費は1,000円(ワンドリンク付き)。要予約。
8日には、「コミュニティーを作る」をテーマに「GWパーティー 30歳以下のアーティスト(ジャンルレス)全員集合!!」を行う。開催時間は19時~。1ドリンク要オーダー。15日には作家達本人による展示作品の解説を交えてのレクチャー「Pre Ongoing School」を予定する。定員は先着30人で、参加費は1,500円(ケーキとドリンク付き)。開催時間は15時~。
小川さんは「三者三様の表現世界が広がる。今後、それぞれの活躍が期待される3人の化学反応が見られるのは、この機会を逃してはしばらくお預けかもしれない。ぜひ多くの方に見もらいたい」と話す。
営業時間は12時~23時(ギャラリーは21時まで)。月曜・火曜定休。今月16日まで。