武蔵野市立吉祥寺美術館(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-0385)で12月12日より、「斎藤真一展 瞽女(ごぜ)と哀愁の旅路」が開催される。
斎藤さんは1922(大正11)年、岡山県に生まれる。尺八の大師範でもあった父の影響で、幼少期より浪曲や浄瑠璃に親しむ。東京美術学校を卒業後に美術講師をし、ヨーロッパを放浪。その後、北国を旅するうちに盲目の旅芸人・瞽女(ごぜ)の話を聞き、興味を抱く。三味線を奏で歌う瞽女(ごぜ)の姿を追い求めるうち文筆業も開始。「瞽女=盲目の旅芸人」(第21回日本エッセイストクラブ賞)や「越後瞽女日記」(ADC賞)、「明治吉原細見記」などの著者としても高く評価され、後に作品が映画・舞台化された。1995年に病に倒れ、約百点の未完作品を残し72歳で生涯を閉じた。
同展は、前期と後期に分け、前期は初期作や明治吉原を再現した絵草紙の世界を中心に紹介し、後期は赫(あか)い瞽女(ごぜ)の作品群や「さすらいシリーズ」「街角シリーズ」の作品を中心に構成し、併せて画家が残した言葉も紹介。油彩、水彩、ペン画など計約120点を公開する。
会期中、関連イベントも予定。女優・金沢碧さんらが朗読と音楽「ひとり、かたり」(同23日17時~18時)、富士ガラス工房館長の野田雄一さんらが講演と音楽「一枚の絵」(1月23日14時~15時30分)を行う。定員は各90人(予約は12月1日より電話または同館で受け付ける)。
開館時間は10時~19時30分。入館料は100円。前期=来年1月17日まで、後期=1月20日~2月21日。休館日=12月28日~1月4日、1月18日・19日・27日。