吉祥寺バウスシアター（武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-3555）は9月19日より、「楳図かずお映画祭」を開催する。

　上映作品は、9月19日・30日、10月2日＝「蛇娘と白髪魔」（湯浅憲明監督、1968年）、9月22日・23日・26日、10月1日＝「楳図かずお 恐怖劇場 『蟲たちの家』」（黒沢清監督、2005年）と「楳図かずお 恐怖劇場 『まだらの少女』」（井口昇監督、2005年）の2本立て上映、9月24日・29日＝「漂流教室」（大林宣彦監督、1987年）、9月20日・21日・25日＝「おろち」（鶴田法男監督、2008年）、9月27日・28日＝「赤んぼ少女」（山口雄大監督、2008年）。上映初日、同19日の上映前には楳図さんによるトークライブも開催する。

　黒沢清監督は「楳図漫画のあの黒を映画で表現することはほとんど不可能。それから人間の丸く見開かれたあの眼、あれをやるのは至難の技。それと、針のように細い指先、何かにつかみかかるように暗闇に伸ばされたあの不穏な指先も、生身の俳優には無理。だから本当は映画化してはいけないが、それでも何かに取りつかれたように楳図漫画に手を出す映画人が後を絶たない。わたしもその一人で、1％か、せめて2％でも楳図表現に近づけられれば、それだけで幸せだが、誰かは5％達成したとか、なにがしは10％近づいているとか聞くと気が気でない。映画がどれほど願望し、どれだけ進化しても、決して到達することのない永遠の未来に、楳図かずおが存在しているのだろう」と語る。

　同館の井手さんは「天才・楳図かずおの原作映画を大特集。日本怪奇映画の傑作『蛇娘と白髪魔』や、黒沢清監督が楳図作品に挑んだ『楳図かずお 恐怖劇場 「蟲たちの家」』など6作品を上映。楳図先生自身が出演されている作品もあるので探してみるのも楽しいかも。楳図先生によるトークライブあるので、ぜひお見逃しなく」と話す。

　上映開始時間は連日21時。当日19時より整理番号付き当日券の受け付けを開始する。入場料金は、一般・学生＝1,300円、会員・リピーター＝1,000円（半券を窓口で提示すると2本目以降1,000円になる）。10月2日まで。