吉祥寺の中道通りに5月30日にオープンしたセレクトショップ「toulouse(トゥールーズ)」(吉祥寺本町3、TEL 050-3311-1615)は、店内の壁に来店客の写真を飾り話題を集めている。
店内は打ちっぱなしのコンクリートの壁に、オーナーの田辺愛一朗さんと知人の大工がふぞろいの木材をペンキで白く塗ったもの、ドライフラワーや海外のビール瓶、アンティークの窓枠などを飾る。工業製品では作り出せない手作り感や温もりを大切にしたという。店舗面積は10坪。
店名は、仏・画家のアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックから取った。もともとトゥールーズの「ムーラン・ルージュ」のポスターが好きで、音の響きから透明感を感じたことから命名した。店舗全体の雰囲気は、映画監督ジム・ジャームッシュの作品「パーマネント・バケーション」の空気感にも影響を受けたという。
取り扱うブランドは「sage de cret(サージュデクレ)」「nisica(ニシカ)」「Audience(オーディエンス)」「melple(メイプル)」など。春夏の商品の価格は、Tシャツ=1,900~9,800円、パンツ=6,500~23,000円、シャツ=5,800~23,000円で、デッドストックや古着も並べる。
以前、原宿に店舗を持つアパレル企業に勤務していた田辺さん。流行を追い、安ければ何でもいいという考えではなく、作り手の思い、商品の歴史や背景を感じられるようなものを扱いたいと考え、独立開業を決意した。
5月のオープン以来、来店客の写真を撮り、入口付近の壁に貼り続けてきた。今では壁一面が写真で埋め尽くされている。客層の男女比は半々。
田辺さんは「出店場所は吉祥寺以外は考えていなかった。街の雰囲気にも共感できるうえ、等身大の自分を生かしてもらえ、価値観を共有できるのではと思ったから」と話す。「変わった背景のある商品をそろえている。その人らしい着こなしや、それぞれの商品の表情を楽しんでほしい」とも。
営業時間は12時~来店客がいなくなるまで。