アーティスト・下平晃道(しもだいらあきのり)さんの個展「覚えたての空間」が、カフェやライブラリーブースを併設したアートスペース「Art Center Ongoing(アートセンター・オンゴーイング)」(吉祥寺東町1、TEL 0422-26-8454)で開催されている。
下平さんは、東京造形大学を卒業後、東京を中心として活動を続ける新進気鋭のペインター。絵画やインスタレーション、舞台美術など幅広く活動しており、ミュージシャンのCDジャケット、ファッションブランド、雑誌、広告なども多数手がける。
同展では、下平さんの油絵作品17点を展示する。作品は、下平さんがインターネットで検索した家族写真などの人々の記念写真がモチーフとなっており、「淡い中間色で彩られた画面には、それぞれ無関係の写真がモチーフになっているにもかかわらず、そこに共通の世界観が存在しているように感じられる。まるで、ある一つのおとぎ話の中のいくつかのシーンを描き出しているかのよう」(同アートスペースの小川さん)。
今月14日には現代美術作家・保井智貴さんとのトークショーを、翌15日には小説家・いしいしんじさんとのライブイベント(定員に達したため締め切り)を予定。いしいしんじさんとのライブイベントでは、いしいさんが即興で小説を書いて読み聞かせをし、それに対し下平さんが即興で絵を描く。入場料は1,000円(ワンドリンク付き、先着30人限定)。
下平さんは「自分たちがいる世界とは別の、新しい空間の入り口になれば」とコメントを寄せる。「モデルは誰とは特定できないが、どこかで見たことがある構図の絵画なので不思議な親近感が呼び起こされる。今回発表するシリーズは、これまでの彼の作風とは全く異なる初めての試みであり、そこに描き出されるのは、展覧会のタイトル通り、作家自身にとっての『覚えたての空間』。更なる活躍が期待される下平晃道によって、今後拡大され続けていくであろう、この『覚えたての空間』が初めて世に出現する瞬間を、多くの人に見てほしい」と小川さん。
ギャラリーの開廊時間は12時~21時。月曜・火曜定休。2月15日まで。