WEBの企画・制作を行うライトハウス(武蔵野市御殿山1、TEL 0422-45-5420)は6月から、インターネット上の仮想世界「セカンドライフ」内で、仮想都市「吉祥寺SIM」を運営している。「バーチャル空間に吉祥寺の特色や文化を反映させ、リアルな吉祥寺の情報配信を目指す」(同社)。
「セカンドライフ」は、米国リンデン・ラボ社が2003年に開設したインターネット上の仮想世界で、現在は欧米を中心に700万人が会員登録している。基本的な遊び方は、無料ソフトをダウンロードし、自分の分身(=アバター)を画面上で動かして、他の利用者と会話を交わしたり、仮想通貨で買い物を行う。 目的を自分なりに設定する自由さが人気となり、各国の企業が続々と参入を始めている。
同社は、今年の2月にリンデン・ラボ社から約20万円で、6万5,000平方メートルの仮想土地を購入して「吉祥寺」と名付け、ハモニカ横丁や井の頭公園など、現実の街の姿をあらかじめ作り込んだ状態で「吉祥寺SIM」をオープンした。年間運営コストは約40万円。
同社は、実際の吉祥寺が持つ文化的なポテンシャルの高さに着目し、セカンドライフ内では、街の中心部にアートスペースを設置。現在は三鷹市在住のグラフィックデザイナーによる「花をテーマとしたイラスト展」を開催中。「今後も吉祥寺にゆかりのあるアーティストを積極的に発掘し、企画展などを行っていきたい」(同社)。バーチャル「ハモニカ横丁」には、アバター用の「空手ポーズ」を売る店が出店。 バーチャル「井の頭公園」では井の頭池にスワンボートを再現し、ボートレースなどのイベントを定期的に開催する。
同社の齋藤俊哉社長は吉祥寺在住歴40年。「吉祥寺に関わる人々や地元の企業とも連携を図りながら、リアルな街の魅力を、セカンドライフを通じて世界にアピールしていきたい」と話す。