武蔵野市は11月23日、同市が制定した「武蔵野市平和の日」の記念式典「平和の集い」でバルーンリリースを行う。武蔵野市非核都市宣言平和事業実行委員会と共催。

　会場はかつてゼロ戦などの航空機エンジンを生産する大規模な軍需工場だった中島飛行機の武蔵製作所の跡地で今は公園として整備された「市立はらっぱむさしの」（武蔵野市八幡町、都立武蔵野中央公園南側）。

　式典は11時30分に始まる。終戦までに9回の空襲で犠牲となった工場の従業員や周辺住民に追悼の黙とうをささげた後、参加者がハト型の白や赤、黄、青の約50個のバルーンを空に放って平和を祈る。

　同市は2011年度に11月24日を「武蔵野市平和の日」と制定した。同製作所に初めて爆弾が投下されたのが1944（昭和19）年11月24日だったことによる。

　市民活動推進課市民相談係の寺井一弘係長は「戦後70年を迎える節目の今年、武蔵野市に爆弾が落とされたという悲惨な史実を小中高の若い世代にバルーンを飛ばす体験を通じて伝えたい」と話す。「当市は昭和57年3月に非核都市宣言を行っている。受けた被害の記憶を風化させないよう武蔵野市から平和の尊さを後世につないでいくというメッセージを発信できれば」とも。

　同市はこの時期に合わせて写真家大石芳野さんの講演や青少年平和交流派遣団の報告会などさまざまな平和に関するイベントを同時開催する。関連展示として中島飛行機の工場に投下される爆弾等武蔵野市に空襲にちなんだパネル展も開催。11月5日～10日＝武蔵野プレイス1階ギャラリー（境南町2） に続き、11日～17日＝コピス吉祥寺A館5階特設スペース、18日～26日＝武蔵野市役所1階ロビー。

　式典は11時30分～正午。バルーンリリースは同50分ごろ。申し込み不要・少雨実施。
　パネル展示は、コピス吉祥寺＝10時～22時。武蔵野市役所＝8時30分～17時。土曜、日曜祭日を除く。両会場とも初日は正午から、最終日は正午まで。