「井の頭公園の歌姫」と話題の歌手のあさみちゆきさんが9月30日、東京・半蔵門の国立劇場(千代田区)で初のコンサートを開いた。
あさみさんは井の頭公園での路上ライブを続けて5年。ギター片手に演歌や歌謡曲を歌ってきた。歌い始めの3カ月、聴衆のいない路上ライブを重ねたが、2人の壮年の男性をきっかけに、人の輪が10人、20人・・・と増え、中高年のアイドル的存在となった。その光景が音楽プロデユーサーの目に留まり、2003年に「紙ふうせん」でプロデビューを果たす。プロになった後も月1回のペースで公園ライブを続け、先ごろ9月16日のライブでは400人近い中高年の人だかりができた。
国立劇場に駆け付けた550人のファンの前で、「井の頭線」「砂漠の子守唄」や、 先月27日に発売されたばかりの新曲「青春のたまり場」(作詞は阿久悠さん)などを披露。トレードマークともいえるギターの弾き語りに加え、ウクレレで懐メロ「思い出の渚」もを初披露した。ラジオのレギュラー番組で訪ねたウクレレ教室で、その音色にとりこになり、ファーストコンサートで演奏したいと1カ月前から練習を重ねたという。
今回のコンサートについてファンらは、「桜並木を背に歌ったラストの『青春のたまり場』の迫力に圧倒された」「ひと言添えて相手の目を見て心を込めて握手する姿勢に人柄がにじみ出ている」「ほっとするような懐かしさと優しさを感じた」などと話していた。
「公園ライブは私のライフワーク。これからも続けます」とあさみさん。次回は10月14日、井の頭公園野外ステージ広場で14時から実施する。雨天中止。10月3日には、NHK「歌謡コンサート」への出演も予定しているという。