荻窪の「杉並アニメーションミュージアム」(杉並区上荻3、TEL 03-3396-1510)で現在、企画展「追悼 脚本家・首藤剛志展~ゼロから始まる物語~」が開催されている。
首藤さんは1949(昭和24)年福岡県で生まれ、1969(昭和44)年にテレビ時代劇「大江戸捜査網」の脚本でデビュー。その後、「まんが世界昔ばなし」の脚本をきっかけに「銀河英雄伝説」「機動戦艦ナデシコ」など、数々のアニメ作品の脚本を手掛ける。「戦国魔神ゴーショーグン」「魔法のプリンセス ミンキーモモ」「アイドル天使 ようこそようこ」「ポケットモンスター」では、脚本のほかにシリーズ構成なども担当した。1984(昭和59)年には第1回日本アニメ大賞(脚本部門)を受賞。アニメのほか、小説「戦国魔神ゴーショーグン」「永遠のフィレーナ」「都立高校独立国」、舞台脚本「ピノキオの冒険」なども執筆。昨年10月、くも膜下出血のため急逝。
同展では首藤さんの作品年表やパネル展示のほか、多くのアニメ作品に関わり、その誕生に携わってきた本人が残した資料(シナリオ、グッズ、小説、ポスター、直筆の原稿)やゆかりの品などを展示している。アニメシアターでは首藤さんが関わった「魔法のプリンセス ミンキーモモ(第2期)」「戦国魔神ゴーショーグン」「アイドル天使 ようこそようこ」を上映するほか、会場のモニターでは「ポケットモンスター 第1話」も上映。
「ミンキーモモ」や「ゴーショーグン」を描く「お絵かきスペース」や「追悼メッセージコーナー」も設けている。12月18日には、首藤さんと共に「魔法のプリンセス ミンキーモモ」「ポケットモンスター」などのアニメ作品を作ってきた湯山邦彦監督をゲストに迎え、首藤さんとの出会い・仕事上のエピソード・アニメに懸けた思いなどテーマにトークイベントを開く。
「アニメを作る際にはいろいろな役職の人が関わる。脚本とはその基礎をつくる重要な役割。首藤さんは、そんな脚本家の中でも独自のセンスでアニメ界にさまざまな風を吹き込んだ方。アニメ史に大きな足跡を残した首藤さんの業績をたたえ、今回の展示では首藤さんが関わった作品に触れられるだけでなく、作品の『テーマ』や『方向性』を考え、『キャラクターの性格付け』を行い、その中で常にアニメの可能性を模索し続け、どのように風を吹き込んで行ったのかを感じていただけたら」と同館の藤田さん。「見に来られた方には、追悼だけでなく首藤さんの遺志の一端を継いでもらえるとうれしい」とも。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。2月19日まで(最終日は16時閉館)。休館は月曜(祝日の場合はその翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)。トークイベントは14時開演。12月3日15時よりメールで受け付ける。定員50人。先着順(応募多数の場合は抽選)。