成蹊大学そばのギャラリー併設カフェ「cafe & galeria PARADA(パラーダ)」(武蔵野市吉祥寺本町4、TEL 0422-27-6680)で7月12日より、彫刻家・齊藤秀樹さんの個展「木でつくられる生き物たち展」が開催される。
齊藤さんは1969(昭和44)年東京生まれ。1992年に大阪芸術大学美術学科彫刻コースを卒業。それまで抽象的な作品を発表していたが、2006年より現在の「生き物シリーズ」に移行。自然界にいる生き物をほぼ実寸で木彫りにより制作。彩色は対象物の質感により使い分け、アクリル絵の具や透明水彩、日本画の顔料、漆などを用いて、肌の質感、うろこなどをリアルに表現している。
金魚、昆虫、リンゴ、ユリなど10点余りを展示する。「作品はリアルに作られているが、模倣的なリアルさではなく、多くの人が『昔、飼ったことがある』『子どもの頃よく目にしていた』といった感情を喚起させるため、作品のオリジナリティーを消して余計なイメージが入らないように、記憶につなげることを目的として制作されている。リアルさで、より多くの人との共感性を目指している作品」と同ギャラリーの中林さん。
中林さんが齊藤さんと出会ったのは2年ほど前。「イグアナを制作していると聞いて見せてもらうと、その精巧さに魅せられてしまった。多くの人に見てもらうべきと展示の話をして今回の展覧会が実現した。その時のすごいイグアナも展示する」と中林さん。「齊藤さんはとても優しく繊細な方。生き物の持つ質感、うろこや毛の流れ、木が透き通りそうになるまで削る作業は、根気強く繊細な作業が必要。作品を見ているだけで、愛情を持って作られ、作者の優しい人柄が伝わってくる」とも。
会期中の16日15時30分~、関連イベントとしてライブを行う。出演は、フルート、尺八、シンセサイザー、パーカッションの構成による東京芸術大学出身の5人組「アワーハウス」。オリジナル曲を中心に、邦楽やバッハなどの古典、カバー曲を演奏し、作品から感じたものを音にする。「作品と音楽が共鳴しあうイベント。作品に囲まれながら、演奏を楽しんでほしい」と中林さん。料金は1,000円(1ドリンク付き)。
営業時間は11時30分~22時(日曜、最終日は20時まで)。月曜定休。今月24日まで。