吉祥寺で映画や舞台の衣装や小道具を手掛けるJAP工房の直営店「GUILD-UNIT（ギルド・ユニット）」（武蔵野市吉祥寺南町1、TEL 0422-46-1436）のギャラリー・スペースで5月13日、「泉 公士郎 伝統工芸金工展～五月雨に松蝉（まつぜみ）の声降る頃～」が始まった。

象嵌鍛鉄（ぞうがんたんてつ）飾箱「夕映え」（関連画像）

　映画「殺し屋1」「PARTY7」「ローレライ」などの衣装や、ミュージシャン「THE ALFEE」の高見沢さん、「聖飢魔2」のステージ衣装を手掛ける同工房。個人ユーザー向けの商品として作ったレザー製品や、「牙狼〈GARO〉」や「スター・ウォーズ」シリーズのキャラクター・シルバーリングなどを並べるショールームが同店で、今年3月、現在の場所に移転した。

　泉公士郎さんは岩手県遠野市出身の彫金家。「日本伝統工芸展」などで数々の賞を受賞し、重要無形文化財の復元を行うなど国内外で活躍する。「遠野物語発刊100周年記念事業」の一環として、昨年遠野市で開催された泉さんの金工作品展「遠野礼讃」の中からえりすぐった39点を展示する。同工房のアーティストが泉さんと師弟関係にあり、同展が実現した。

　同店スタッフの高野さんは「泉先生の個展を開催させていただくことは大変光栄なこと。泉先生はこれまでに数々の賞を受賞しているにもかかわらず、個展を開催したことがほとんどない」と話す。「今回は、遠野で開催された作品展の半数ほどの展示内容だが、吉祥寺という都会を少し離れた場所で素晴らしい作品を十分堪能していただければ」とも。

　泉さんが監修する「江戸～近代の金工名品展」も同時に開催し、刀装具や金具など数十点も展示する。

　開場時間は11時30分～20時（最終日は17時まで）。金曜・土曜の13時～18時、日曜18時30分～20時は泉さんも在廊を予定する。入場無料。今月30日まで。