吉祥寺の「ギャラリー・フェイス トゥ フェイス」(武蔵野市吉祥寺南町1、TEL 0422-70-0885)で現在、ギャラリーがセレクトした5人の作家による展覧会「Selection 5」が開催されている。
同ギャラリーで過去に個展やグループ展を開いたことのある舘寿弥さん、高島進さん、田中恵美さん、佐藤孝子さんの4人と、ギャラリーが注目する内田有さんの5人の企画展。和紙を何枚も貼り重ねて作った作品や、木版に手彩色をした新作など19点を展示し、一部非売品を除き販売も行う。
初めて出品された内田さんは今春、東京芸術大学の工芸専攻ガラス造形研究室を終了予定の新進作家。ここ2年「アイスキャンディー」をモチーフに創作活動を行っている。他の作家が抽象画を描くのに対して、内田さんの作品はガラス鋳造で「霜が付いた状態」「食べかけで垂れている状態」のアイスキャンディーをリアルに造形する。「精緻なガラス鋳造技術のなせる業なのだが、視覚的な面白さもさることながら、味覚や触覚、温度の感覚まで刺激される。そこに止まっているアイスを通して失われていく時間まで思いがはせる作品」と同ギャラリーディレクターの山本さん。
東日本大震災を受け、「このような大災害に対し、美術というもので市井の一ギャラリーとして微力ながら役にたてればと思う。ほんのちょっとの気分転換にでもなれば。被災地への義援金募金箱も会場に用意したので、ご協力をお願いしたい」とも。
開催時間は13時~19時(計画停電の実施区域のため停電が実施された場合は日没後閉廊)。今月20日まで。