6月1日、吉祥寺で暮らす約200人を取材した単行本「きちぼん」が、ラトルズ(千代田区、TEL 03-3511-2785)から出版された。
同書は、吉祥寺の旧近鉄裏にあるコミュニティースペース兼カフェの「KISS CAFE(キスカフェ)」を運営するNPO法人Kissのホームページで、吉祥寺に暮らす人を紹介するコーナー「吉祥寺人」がきっかけとなって作られたもの。「キスカフェ」を利用する常連客から「もっと多くの人に吉祥寺人を紹介できないか」という声があがり、吉祥寺に住むライターや編集者、カメラマンなどが声をかけ合って、同ホームページの素材をもとに本の制作に取りかかった。
編集長の藁科祐里さんによると、同書の企画を始めたのはちょうど1年前の2005年5月。従来の雑誌などにあるような街の紹介の仕方ではなく、「そこに住んでいる人がどんな風にこの街を楽しんでいるのか」を取材して紹介したら面白いのではないかと、吉祥寺に住む著名人をはじめショップのオーナーや、一般の家族など様々な人を取材した。
同書の冒頭には昭和20年代から40年代にかけての街の写真が載せられており、その後150ページに渡り約200人の吉祥寺に暮らす人たちの日常や街への思いが紹介されている。
「取材してみて感じたのは、吉祥寺という街には様々な年代や職業の人がいるにも関わらず、不思議と皆がそれぞれの楽しみ方を見つけて暮らしている街ということに気付いた。自分にとって、街は家の延長上にあるもの。都市開発などが進み、街が均一化されることが多い現代で人から作られる街を感じてもらい、自分と街との距離を見直してもらうきっかけになれば嬉しい」と藁科さん。
価格は1,800円。全国の書店で販売中。