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吉祥寺のアンティーク食器店「ぷくぷく」が移転 西公園店の統合も

中道通りから移転し、西公園店と統合して 昭和通り沿いで営業する「吉祥寺PukuPuku」の外観

中道通りから移転し、西公園店と統合して 昭和通り沿いで営業する「吉祥寺PukuPuku」の外観

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 吉祥寺の昭和通り沿いに伊万里焼を中心としたアンティーク食器や雑貨などを販売する「吉祥寺PukuPuku(ぷくぷく)」(武蔵野市吉祥寺本町2、TEL 0422-27-1636)が中道通り沿いから移転して、9月30日で3カ月がたつ。

「吉祥寺PukuPuku」に並ぶ明治後期から大正時代の印判小皿

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 店主の福重篤宜さんが買い付けた日本の古い器を販売するため当初は国分寺にオープンした同店。福重さんが生まれ育った地元の吉祥寺を盛り上げたいとの思いから、移転を決意。2010(平成22)年9月、中道通り沿いに西公園前店を、2011(平成23)年には中道通り店をオープンした。

 店名の「PukuPuku」は、店のモチーフにした金魚が出す水泡と、店主の名字「福重」をもじって付けた。「骨董(こっとう)屋の敷居の高いイメージを払拭し、カジュアルな店名にしたい」との思いを込めたという。

 今回の移転は建物の取り壊しによるもの。スタッフの原依子さんは「なじみのある中道通りで広さのある物件を探したが見つからず、昭和通りは落ち着いた印象だが、手頃な物件の空きが出たので思い切って移転を決めた」と話す。新店舗には、6月30日に中道通り店の商品を移し、9月7日に西公園前店を統合した。

 店舗面積は約68平方メートル。明治以降の戦前や昭和初期のカジュアルな器を扱い、「骨董品の入り口」として20~30代や近所の人が訪れていた中道通り店の商品と古伊万里が好きな30~40代の客と密に話ができるこぢんまりした空間だった西公園前店の商品を分けて並べる。店の入り口付近の中道通り店エリアには、明治から大正時代に印判(いんばん)で作った器や道具類など、およそ4,000点、奥の西公園前店エリアには明治前期から江戸時代の色絵,染付の器など、およそ3,000点をそろえる。

 伊万里焼を中心とした器は、小皿、なます皿、菱型や舟形の変形皿、茶わん、ちょこ、大皿、銚子、盃、のぞきちょこ、段重など。大正・昭和、戦前のガラスは、小鉢、氷コップ・グラス、しょうゆ瓶、金魚鉢、薬瓶、吸い口など。明治・大正の漆器は、菓子小皿、吸物わん、会席膳、おひつなど。

 「2店舗を統合したので物量は増えたが、レイアウトにメリハリをつけたことで今まで興味や関心がなかった年代物をじっくりご覧になるお客さまが増え、滞在時間も長くなった」と原さん。「骨董品との出合いは一期一会。焼き物を量産するために版を作って印刷する絵付けの方法『印判』で作った器にも手描きの風合いがあり、同じものはない。器との新しい出合いを探しに散歩がてら、ふらっと寄ってもらえたら」とも。

 「店には古美術の希少な品もあるが、技術がない時代に丹精込めて作られた日常使いできる器も多い。見て、使って、現代にはない面白さを多くの人に知っていただく発信店でありたい」と意気込みを見せる。

 営業時間は11時~19時。

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