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吉祥寺バウスシアターで「変態アニメーションナイト」-東京初開催

変態アニメーションナイトイメージビジュアル

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 吉祥寺バウスシアター(武蔵野市吉祥寺本町1、TEL 0422-22-3555)で12月15日、「変態(メタモルフォーゼ)アニメーションナイト」が開催される。今年、広島・京都で行われ話題を呼んだ同イベント。今回が東京初上陸となり、日本の映像作品を国内外へ販売するインディーズレーベル「CALF」との共同企画で行う。

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 「一生忘れられないほどのインパクトを残す『変態的』な作品を集めた一夜限りの饗宴。いわゆるジャパニメーションに代表されるような『カワイイ』アニメーションとは対極にあるような作品群が集結する。世界にはまだまだ知られていない芸術的でユーモラスで皮肉の効いた短編アニメーションがたくさんある。本企画はその摩訶(まか)不思議な新しい世界への入り口となるはず」と同館の武川さん。

 当日は、全16作品を3部構成で一挙に上映する特別プログラムをオールナイトで実施。CALFの中心メンバーの一人でアニメーション研究家・評論家の土居伸彰さんは「今回の上映作品で特筆すべきは、やはりブルース・ビックフォードの『CAS'L'』。ミュージシャン、フランク・ザッパのアニメーターでもあった彼は、今、シアトルの奥地で薬草を煎じて飲み日課の木登りなどの鍛錬を重ねながら一人でクレイアニメーション作品を作っており、その作品もすでに常人の理解できる域を超えている。彼の最新作である同作は広島と京都でも上映したが『この作品の存在は事件ではなく事故』というお客さんの感想が象徴するように阿鼻(あび)叫喚を巻き起こした作品」という。今回は好評に応えて、映画配給などを行うboid(新宿区)協力の下、爆音上映を予定している。

 もう一つの目玉は、世界4大アニメーション映画祭の一つであるオタワ国際アニメーション映画祭の長編部門でグランプリを獲得したフィル・ムロイ氏の「さよならミスタークリスティー」だと土居さん。「これは個人制作の長編で、しかも一説によると制作費はゼロだとか。登場人物は簡単な切り絵の横顔で、彼らはテキスト読み上げソフトを使って話す。作者いわく『典型的なイギリス人』が主人公のこの作品には胸糞(むなくそ)悪いキャラクターしか登場せず、下品で低俗で、なのにとても魅力的。物語もばかみたいに壮大。京都での上映が日本初公開で、今回のバウスシアターでの上映は東京初公開となる」。

 「今回上映する作品は、汚くて強烈で人によっては顔をしかめてしまうかもしれないが、そういう作品をたくさん見ていると『人間の持つ良くも悪くも強烈なエナジー』みたいなものを強く感じられるようになってくる。そして、そんな作品を作る作家たちがとてもいとおしくも思えてくる。今回の上映のテーマは『人間愛』。『愛』を深めるために、ぜひとも来場してもらえたら」とも。

 開場=22時45分、開演=23時。オールナイト上映。料金は一般=2,500円、学生=2,300円、シニア・会員=2,000円。

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