耳の聞こえないスタッフが接客する「サイレント・カフェ」が、吉祥寺のカフェ・雑貨複合店舗「グランキオスク」とのコラボレーション終了に伴い、7月末で同店での営業を終了した。今後は武蔵野周辺で移転先を探しながら、イベントなどで営業を続けていくという。
同カフェは、聴覚障がい者と健聴者の間のバリアフリーを促進する目的で、昨年7月に三鷹市公会堂別館に開業。12月には同館改築工事のため一時閉店したが、「グランキオスク」内での開店が決まり、今年2月に再オープンした。6月には「ソーシャル・デザイン」をテーマに掲げる「第7回ロハスデザイン大賞2012」の「コト部門」で大賞を受賞している。
「昨年の開業以来、既成の店舗の中で営業することで、それまで耳の聞こえない人と接点のなかったコラボ先店舗のスタッフと、『サイレント・カフェ』スタッフの協働の場が生まれた。『グランキオスク』では、吉祥寺という人気の街で営業できたことで話題になり、当カフェの発するバリアフリーのメッセージの波及速度を速めることができたと思う」と同店代表の渡辺由貴さん。
「今後は独自の営業拠点を確保し、参加型のイベントや協働の機会を提供することで、サイレント・エフェクト(同店発のバリアフリーの波及)をさらに広め、企業として経営と雇用の安定を図りたい」と話す。
8月は、5日に「三鷹の森通り東栄会商店街&日産プリンス西東京販売三鷹店共催 震災復興支援 夏祭り フリーマーケット」(10時~16時)、18日に「三鷹阿波踊り」(16時~19時)、19日に「ハモニカ横丁朝市」 (7時~10時)にそれぞれ出店。以降、イベント参加が決まり次第、同店のフェイスブックで告知していく。