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三鷹のギャラリーで「根付~江戸と現代を結ぶ造形~」展 300点を一堂に

「根付~江戸と現代を結ぶ造形~」展が開催されている三鷹市美術ギャラリー館内

「根付~江戸と現代を結ぶ造形~」展が開催されている三鷹市美術ギャラリー館内

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 三鷹駅に直結した商業施設「CORAL(コラル)」(三鷹市下連雀3)5階の「三鷹市美術ギャラリー」(TEL 0422-79-0033)で現在、「根付(ねつけ)~江戸と現代を結ぶ造形~」展が開催されている。

根付の使われ方が見られる江戸末期の和装も特別出品。根付は齋藤美洲の「睨」(2016年作)

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 根付は、ポケットが無い和装の時代に日常的に使われた小さな彫刻。印籠や巾着などの持ち物を携帯する際、ひもの先に付け、帯にくぐらせ留め具として用いられた。江戸後期に全盛を迎え、裕福な町人を中心に素材のぜいたくさ、技巧の精密さ、しゃれで機知に富む意匠を競い合い、装飾品であると同時にコレクターズアイテムとしても扱われたという。

 学芸員の富田さんは「まさに現代の携帯ストラップやチャームのような存在。江戸時代の人たちも、自分のセンスに合った物を選んで身につけたり、仕事の合間に人に見せたりして楽しんだのかも」と話す。

 明治以降の洋装化とともに需要は衰えたが、海外向けの輸出工芸品として存続した根付。戦後再評価され現代の作家たちにより、オリジナルな発想で独自の根付が製作されるようになったという。同展では、約5000点を所蔵する「京都清宗根付館」(京都市)のコレクションから、古根付約60点、印籠を含む現代根付約245点を展示する。5人の現代根付作家の作品にもスポットを当て、製作工程やアトリエの様子、彫刻刀など制作道具も併せて紹介。「現代根付にはスロットマシーンやカニ鍋などのモチーフや、合成樹脂といった新たな素材も見られる」と富田さん。

 2月11日、3月11日には出品作家によるギャラリーツアーが、2月26日には三鷹ネットワーク大学で、伊多呂さん、栗田元正さん、和地一風さんの出品作家3人によるトークイベントも予定。「拡大鏡も貸し出している。正面からだけでなく、いろいろな角度から、細かい造形を見て楽しんでもらえたら」と来館を呼び掛ける。

開館時間は10時~20時。月曜休館(3月20日は開館)。観覧料は、一般=600円、65歳以上・学生(大・高)=300円ほか。3月20日まで。

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