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山田詠美さんエッセー集「吉祥寺ドリーミン」 前作に続きコロナ禍の日常など100編

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 吉祥寺在住の作家、山田詠美さんの単行本「吉祥寺ドリーミン」が昨年12月22日、小学館から刊行された。全320ページ。

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 2015(平成27)年から同出版社の雑誌「女性セブン」に連載するエッセー「日々甘露苦露(かんろくろ)」より、95編を収録した前作「吉祥寺デイズ うまうま食べもの うしうしゴシップ」に続く同書。今回は2018(平成30)年8月から2021年6月につづった日々の出来事などから100編を選びまとめた。

 編集を担当した橘高真也さんは「2020年、新型コロナウイルスのニュースが私たちの暮らしに忍び寄り、やがてコロナの猛威が暮らしを覆っていく様子が折々エッセーにつづられていて、くしくもこの2年間のコロナ禍の記録になっている。『言葉尻番長』を自認する山田さんが、コロナ禍にどんな言葉が飛び交い、それがいかに奇っ怪なものだったか浮き彫りにしている」と話す。

 山田さんはエッセーの中で「このところ思うのですが、物事を黒か白か、ありか無しか、だけで語る人って多くないですか?そして、その基準は、得か損か、便利か不便か。自分の好みのものしか目に入らないワールドで生きているから、他者の価値観を全否定する。あなたにとってのくだらないものが、他の人には大事なものかもしれないという思いに至らない。そんな光景にたびたび出くわします。他者への想像力が働かないんだよね」と綴る。

 橘高さんは「山田さんがたびたび使っている『想像力』という言葉が印象的。世の中、とりわけ政治家から想像力が欠如していることについて怒りの矛先を向けている。不要不急の外出をライフワークと語る山田さんだからこその独自の視点がたっぷりと詰まっているので、どのエッセーも楽しんでもらえるのでは」と胸を張る。

 「タイトルには『夢想』を意味する『ドリーミン』を付け、表紙には山田さんが吉祥寺を闊歩(かっぽ)するかわいらしいイラストをデザインした。ここではないどこか、私以外の誰か、そんなことや人を想像しながら読んでもらえたら」と呼び掛ける。

 価格は1,485円。

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