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太宰治ゆかりの地、三鷹で小説モチーフの舞台-シリーズ10周年

「全身ちぎれ節」(08.09.12~09.21)三鷹市芸術文化センター・星のホール 
撮影:齊藤ジン

「全身ちぎれ節」(08.09.12~09.21)三鷹市芸術文化センター・星のホール 撮影:齊藤ジン

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 三鷹市芸術文化センター(三鷹市上連雀6、TEL 0422-47-5122)で6月、太宰治作品をモチーフにした舞台の第10 回記念公演として、劇団「ピチチ5(ぴちちくいんてっと)」による公演「はぐれさらばが“じゃあね” といった~老ハイデルベルヒと7つの太宰作品~」が決定した。会場は星のホール。

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 1941(昭和16)年から三鷹に暮らした太宰治の墓が同センターそばの禅林寺にあることを縁にスタートしたシリーズで、同時期に開催している朗読シリーズ「太宰を聴く」と並び、太宰の「桜桃忌」を告げる恒例企画として展開してきた。

 これまでにも、「ままごと」の柴幸男さん、「ポツドール」の三浦大輔さんなど、「演劇界で注目を集める脚本力に秀でた人材」に作・演を依頼。「太宰作品をそのまま舞台化してもいいし、モチーフとして自由に仕上げていただいても構わないというスタンスでオファーしているもので、今回は、『ピチチ5(ぴちちくいんてっと)』の福原充則さんにお願いした」と同センターの森元さん。

 「『駄目だと分かっていても何度でも同じことを繰り返してしまう』。そんな悲しくも愛すべき人間たちのつぶやきを、鋭くかつ愛情深く描き、多くの注目を集めている。期せずして、『ピチチ5』も10周年を迎える記念すべき年。劇団員の野間口徹さんや三浦竜一さんに加え、今回は『キングオブコメディ』の今野浩喜さん、『猫のホテル』出身の菅原永二さんなど多彩な俳優陣も結集し、太宰の世界に挑む」

 今回のメーンモチーフとして選ばれたのが太宰の初期作品「老(アルト)ハイデルベルヒ」。「8年ぶりに訪れた静岡県三島市を舞台に、男の見栄や自らの弱さからの逃避として、昔を述懐する思いが交錯する様を太宰独特の軽妙なタッチで描いた快作」と森元さん。「作中に登場する『三島が色褪 いろあせたのではなくして、私の胸が老い干乾 ひからびてしまったせいかもしれない』という言葉が、福原の戯曲の中でどのような匂いで立ち込めるか、期待したい」とも。

 公演は6月28日~7月7日。チケット発売は4月14日。申し込み方法など詳細は同センターのホームページで公開する。

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